特殊な駐車場内の交通事故の過失割合についてはどう考えますか。

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駐車場内の交通事故では,過失割合をどのようにすべきかは悩ましい問題です。
東京地裁民事交通訴訟研究会によって最近過失相殺基準が提案されています(別冊判例タイムズ38号 2014年版 p494)。

駐車場内の交通事故において,その通路が道路交通法が適用される「道路」に該当することを前提にする議論ではなくて,駐車を主たる目的としている駐車場の特殊性から考えるべきとされています。(同上)。

同基準によって駐車場内の通路と駐車区画という区分及び四輪車同士と四輪車と歩行者との事故についての一定の基準化が図られたことになります。

しかし,その基準によっても明らかにされない問題が残ります。

自転車と四輪車の事故,特殊な駐車場等です。
後者の特殊な駐車場にはショッピングセンター(ビル・マンションも含め)における出入り口で合流がある場合,あるいは地下駐車場があります。

1 パチンコ店駐車場内の場合(クリックすると回答)


原告においても,夜間,パチンコ店駐車場という自動車の往来を予想しうる場所に転倒したのであるから,自動車に轢かれることのないよう速やかに体勢を立て直す等の措置を講じるべきであったが,これが遅れた面があることは否定しがたいというべきである。
もっとも,被告においては,自動車運転上の基本的注意義務である前方注視を怠り,交通弱者である歩行者を轢過しているのであって,その過失は軽視できないというべきである。
そうすると,上記事故態様を総合的に考慮し,原告の過失を2割として過失相殺を行うことが相当である。
(名古屋地裁 平成21年2月27日判決 <出典> 自動車保険ジャーナル・第1787号)

転倒したことは,致し方がないとして,パチンコ店駐車場という自動車の往来の激しい場所であることから,自動車に轢かれることのないよう速やかに体勢を立て直す等の措置を講じるべき義務が歩行者にもあるとして過失相殺をしました。

2 ショッピングセンターなどの駐車場内の合流箇所における四輪車同士の場合(クリックすると回答)


車道からショッピングセンターの駐車場内に入る「出入口通路」と,駐車場内で最初に交差する通路との交差部分における四輪車同士衝突事故に関する過失割合について駐車場内の通路を走行して出入口の合流箇所に向かっていた車両に徐行義務があるとして被害者3,加害者7の過失割合の判決(札幌地裁 平成21年12月18日判決<出典> 自保ジャーナル・第1826号)。

出口と入口が共通の「通路」は駐車場特有の施設かもしれません。
双方共に,対面する方向に他の車両が走行している可能性を常に前提にしなければなりません。
その場合に同等の注意義務ではなく,出入口の合流箇所に駐車場から向かってくる車両つまり出ようとしている車両に徐行義務という重い義務を認めています。

3 地下駐車場での事故における四輪車同士の場合(クリックすると回答)


居住するマンションの地下駐車場内で,バックで進行するA車に,自己の駐車区画から切り返しのため路上に飛び出してきたB車が衝突した事故について,突然切り返しを行ない道路にできてきたB車に7割過失を認めました(東京高裁 平成11年3月31日判決<出典> 交民集32巻2号430頁)。

別冊判例タイムズ38号の基準でも駐車区画から出ようとする車両7に対して通路進行車両3と全く同一の割合になります(p501)。


4 コンビニ駐車場での事故における過失割合は,どうなりますか。(クリックすると回答)

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