Q.むち打ち(頸椎捻挫),腰椎捻挫 で治療期間6ヶ月(入院なし)の慰謝料はいくらですか。3ヶ月,9ヶ月ではどうですか。

[むち打ち,慰謝料,腰椎捻挫,頚椎捻挫]

A.


いわゆる傷害慰謝料(通院慰謝料)については,自賠責保険,任意保険,訴訟(裁判)の3つの基準があります。
そして,金額としては,自賠責保険<任意保険<訴訟(裁判) 基準となります。

ちなみに,3ヶ月,6ヶ月,9ヶ月を自賠責保険,訴訟(裁判)基準で対比すると,
自賠責基準では,126,000円,252,000円,378,000円となります。

訴訟(裁判)基準では,27.5万円,53万円,83万円となります。

任意保険基準は,会社により異なるために何とも言えませんが,自賠責基準と訴訟基準の中間あるいは,訴訟基準の6ないし7割という程度でしょうか。

なお,自賠責順においては,過失相殺が原則ありませんが,それ以外は過失相殺があるため過失割合によっては,実際に支払われる額が自賠責基準と大差ないことがあり得ます。
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なお詳細は続きをご覧ください。

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1 慰謝料は,通院した日数で決まるのですか。(クリックすると回答)

まずは,単に治療期間だけでは,慰謝料(リンク)を判断しません。実治療(通院)日数がまずは基準となります
その点では,自賠責基準でも,任意保険基準でも,また訴訟基準でも同じです。そこで,実治療日数を1ヶ月あたりすべて5日間としてこれからの御説明を致します。


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2 自賠責基準ではどのくらいの金額になりますか。(クリックすると回答)

自賠責基準は, まず1日あたり4200円としています
そして通院期間は全治何ヶ月という治療期間ではなくて,実治療(通院)日数を2倍にしたものです。
つまり,2倍にすることで,一日おきに通院した(隔日通院)したものとして慰謝料を計算するのです。
すると,実治療日数が6ヶ月では30日なので,通院期間は30日×2=60日
つまり60日が通院期間となります。4200円×60日=252,000円 
これが6ヶ月通院の場合の自賠責基準での慰謝料額となります。
3ヶ月では,5日×3ヶ月=15日です。br> そこで,4200円×15日×2=126,000円

9ヶ月では,5日×9ヶ月=45日です。
そこで,4200円×45日×2=378,000円 となります。

3ヶ月,6ヶ月,9ヶ月の慰謝料は,126,000円,252,000円,378,000円となります。

6ヶ月の場合に例をとると,
4200円×6ヶ月(=30日×6ヶ月)=756,000円とはならないのです。
そして,保険会社(共済)は,交渉ではほとんどと言っていいほどが,まずはこの自賠責基準での提案をしてくるはずです。

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3 訴訟基準ではどのくらいの金額になりますか。(クリックすると回答)

いわゆる赤い本と言われているものがあります。そこに入通院慰謝料基準が示されており,
それが訴訟基準とされています。表が2種類ありローマ数字でⅠとⅡとなっています。
ⅠとⅡではⅡが低い水準になっており,およそですが,Ⅰの三分の二の金額になります。
そして,基準はそれぞれが月単位で示されています。

むち打ちについての(リンク)入通院慰謝料基準は,実務的には低い方のⅡが使われており,裁判所もそれに従います。
しかし,訴訟基準でも治療期間ではなくて実治療(通院)日数を元にして通院期間を決めています。

赤い本では実治療(通院)日数の3倍程度を目安にしています。

すると,実際に治療に行った日数が6ヶ月で5日×6ヶ月なので,30日とすると,30日×3=90日,つまり3ヶ月となります。訴訟基準の表Ⅱでは通院3ヶ月は530,000円となっています。
自賠責基準では252,000円でしたから,その倍以上となります。

次に,3ヶ月通院したとすると,5日×3ヶ月=15日 15日×3=45日つまり1.5ヶ月となり,19万円+(36万円-19万円)×0.5=27.5万円となれいます。
1ヶ月の慰謝料に2ヶ月と1ヶ月の慰謝料の差額に0.5をかけたものを加えています。

9ヶ月通院したとすると,5日×9ヶ月=45日 45日×3=135日つまり4.5ヶ月となり,67万円+(79万円-67万円)×0.5=83万円となります。

3ヶ月,6ヶ月,9ヶ月の慰謝料は,27.5万円,53万円,83万円となります。

 1ヶ月 2ヶ月   3ヶ月 4ヶ月  5ヶ月  6ヶ月  7ヶ月  8ヶ月  9ヶ月  10ヶ月  11ヶ月  12ヶ月  13ヶ月  14ヶ月  15ヶ月 
 19万 36万   53万 67万  79万  89万  97万  103万  109万  113万  117万  119万  120万  121万  122万 

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4 任意保険会社の基準とは,どのようなものですか。(クリックすると回答)

各保険会社が,持っているはずの基準は公開されていません。
おそらく多くは,自賠責基準と訴訟基準を比較して,被害者の対応を見ながら,いわゆる落としどころを模索しながら,内部的にその基準を利用していると考えられます。
保険会社によっては,自賠責保険基準+α程度とも言われているようです。
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5 示談交渉ではどのような点に注すればいいのでしょうか。(クリックすると回答)

例で挙げたものは,自賠責基準と訴訟基準とではダブルスコアになるとは言っても金額としては,28万円弱です。
訴訟をするには,躊躇される方が多いと思います。
しかし,後遺障害がある場合あるいは休業損害が争いのある場合には,積み重ねとして大きな差となってくるのです。また,1年6ヶ月の期間に100日を超えるような治療を行った場合を想定すると,その金額の差を縮めるにはどうすべきか自ずと答えは出るかと思います。

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