Q.橈骨遠位端骨折とは何ですか。後遺障害（後遺症）はどうなりますか。
前腕＝橈骨遠位端の骨折としては，Ｃｏｌｌｅｓ（コレス，コーレス，コリーズ）骨折，Ｓｍｉｔｈ(スミス)骨折，Ｂａｒｔｏｎ（バートン）骨折があります。
仮に，後遺障害となったとしたならば，手関節の機能障害として８級，１０級,１２級の可能性があります。 １ Ｃｏｌｌｅｓ（コレス，コーレス，コリーズ）骨折とは （クリックすると回答）
３ Ｂａｒｔｏｎ（バートン）骨折とは （クリックすると回答）
転倒して手のひらをついた際に起こる骨折で橈骨遠位端骨折の一つとして最も多いものです。
特に１０歳前後の小児と骨粗鬆症を持つ高齢者に多発するものです。
手のひらをついた際に背屈を強制されるために(手のひらが反り返るために)，骨折線が橈骨遠位端に走る斜骨折が多いとされますが，高齢者の場合に，特に骨粗鬆症の程度によっては粉砕骨折となることもあります。
この骨折の場合には，尺骨茎状突起(手首のところの尺骨先端のとがった部分)骨折や手根骨骨折を合併することが多いとされています。
自転車やバイクのハンドルを握ったままで転倒したときに起こる骨折です。
橈骨下端の骨折で，末梢骨片が掌側に転位したものです。
Ｃｏｌｌｅｓ（コレス，コーレス，コリーズ）骨折とは逆に手の甲をついて転倒すると，橈骨遠位端に斜めに骨折線が走ります。
治療としては麻酔下で徒手整復した後に，手関節を伸展位のままでギプス固定します。
橈骨遠位部の関節内の骨折です。
遠位骨片が手根骨と共に背側あるいは掌側に転位したものです。
関節靱帯・関節包の損傷もあるため整復も難しく，徒手整復後の固定性も悪いとされています。
固定性が悪い場合には，キルシュナー鋼線
（リンク）や支持プレートなどを用いて内固定をします。
手関節の機能障害として８級６号，１０級１０号,１２級６号が考えられます。
すなわち，
強直あるいは完全弛緩性麻痺かそれに近いもの
＝１関節の用廃 →８級６号
可動域２分の１以下
＝１関節の著しい機能障害→１０級１０号
可動域４分の３以下
＝１関節の機能障害 →１２級６号
または，変形治癒を残したことによる骨折部位の疼痛として１２級１３号，１４級９号の可能性もあります。
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