Q.高次脳機能障害の症状としての社会的行動障害とは何ですか。

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A.

よく人格ないし性格変化と表現されるものです。
事故前とは別人になったようだと言われることもあります。

無気力になったり,あるいは,怒りやすくなったり,飽きっぽくなったりというように顕著な変化をすることもありますが,変化が認めにくい,あるいは事故前とは比較しづらいと言う点があります。

1 社会的行動障害とは,どのようなものですか。   (クリックすると回答)


人間の社会的な存在として,問題行動として表れてしまう障害です。
次のようなものがあります。

① 意欲・発動性の低下
② 情動コントロールの障害
③ 対人関係の障害
④ 依存的行動
⑤ 固執

2  ガイドラインは,どのようになっていますか。  (クリックすると回答)


「高次脳機能障害者支援の手引き」として平成20年11月に厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部及び国立障害者リハビリテーションセンター連名で発表されました。
診断基準ガイドラインが示されました。
そこでの症状としての社会的行動障害としては以下のとおり説明されています。

① 意欲・発動性の低下:
自発的な活動が乏しく,運動障害を原因としていないが,一日中ベッドがから離れないなどの無為な生活を送る。

② 情動コントロールの障害:
最初のいらいらした気分が徐々に過剰な感情的反応や攻撃的行動にエスカレートし,一度始まると患者はこの行動をコントロールすることができない。
自己の障害を認めず訓練を頑固に拒否する。
突然興奮して大声で怒鳴り散らす。看護者に対して暴力や性的行為などの反社会的行為が見られる。

③ 対人関係の障害:
社会的スキルは認知能力と言語能力の下位機能と考えることができる。
高次脳機能障害者における社会的スキルの低下には急な話題転換,過度に親密で脱抑制的な発言および接近行動,相手の発言の復唱,文字面に従った思考,皮肉・諷刺・抽象的な指示対象の認知が困難,さまざまな話題を生み出すことの困難などが含まれる。
面接により社会的交流の頻度,質,成果について評価する。

④ 依存的行動:
脳損傷後に人格機能が低下し,退行を示す。
この場合には発動性の低下を同時に呈していることが多い。
これらの結果として依存的な生活を送る。

⑤ 固執:
遂行機能障害の結果として生活上のあらゆる問題を解決していく上で,手順が確立していて,習慣通りに行動すればうまく済ますことができるが,新たな問題には対応できない。
そのような際に高次脳機能障害者では認知ないし行動の転換の障害が生じ,従前の行動が再び出現し(保続),固着する。

3 具体的な判断評価は,どうするのですか。  (クリックすると回答)


人間の情動的な側面であるために,非常に難しいとされております。
知能・記憶・注意とは異なって,定量的な測定が困難であり,身近な人による生活状況報告の中で評価せざるを得ないと思われます。

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