Q.拡散強調画像(DWI)とはどのようなものですか。

[DWI,MRI,強調画像,錐体路]

A.

拡散強調画像(diffusion weighted image:DWI)とは,水に対して3方向の拡散の大きさを画像化したもので脳虚血の診断に有用とされています。 水のブラウン運動に関係しています。

1 ブラウン運動とは
ブラウン運動(Brownian motion)とは,液体のような溶媒中(媒質としては気体,固体もあり得ます)に浮遊する微粒子(例:コロイド)が,不規則(ランダム)に運動する現象です。

それは,液体が水ならばその分子の運動が不規則(ランダム)であるために,その分子が衝突して浮遊する微粒子を不規則(ランダム)に運動させるからです。

また,ブラウン運動は,結果として水そのものが熱などの力学的要素に依存しながらも不規則な運動をしていること,そして拡散していいくことを示しています。

2 脳内の水とブラウン運動
脳脊髄液では,水はあらゆる方向に自由に動くブラウン運動をしています。

しかし,神経細胞をつなぐ軸索(神経繊維)の中の水は,軸索の方向に制限された動きをしています。
つまり,脳内の水は,脳室内では自由拡散・皮質(神経細胞)は小範囲で自由拡散・白質(神経繊維)で制限拡散という均等ではない動きをしているのです。

3 拡散強調画像とは
強い傾斜磁場を3次元のそれぞれの方向からかけて,その方向に向かう水の信号を変化させて,それぞれ3方向の信号を得て,それを合成して拡散の大きさを画像化したものです。

4 拡散強調画像の活用
拡張画像は,脳虚血の診断に有用です。

脳虚血とは,脳の血液量が低下している状態を言います。この脳虚血状態が長期化して脳実質が壊死に至った状態が脳梗塞です。

脳梗塞になると水の動きが抑制されて,あらゆる方向に拡散が低下することが分かっています。そのために拡散強調画像が有用なのです。
さらに,拡張強調画像を応用して,錐体路や脳梁を表示したり,3次元的に神経繊維を表示することができるようになっています。

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