Q.クローヌスとは何ですか。交通外傷での意味はありますか。

[クローヌス,脊髄損傷,錐体路障害]

A.

クローヌス(間代)とは,著明な反射亢進と同じ診断的意義を持っています。
膝と足のクローヌスが典型的ですが,その場合には錐体路障害を示すものとされています。

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1 クローヌスとは,どういうものですか。(クリックすると回答)


足や膝の筋肉や腱を不意に伸ばしたときに生じる規則的かつ律動的に筋収縮を反復する運動を言います。
日本語では間代(かんたい)と訳します。

2 足と膝ですか。(クリックすると回答)


神経学的診断では膝クローヌス(膝蓋間代),足クローヌス(足間代)を検査することが多いです。

3 クローヌスが出るというのは,どういう意味があるのですか。(クリックすると回答)


錐体路障害を示すものとされています。
つまり運動神経の回路で,上手く命令が伝わっていないと言うことを意味するとされています。

4 錐体路障害というのは何ですか。(クリックすると回答)


錐体路(pyramidal tract)とは,延髄の錐体を通る経路をいいます。
錐体路は皮質脊髄路(corticospinal tract)とも呼ばれており,随意運動の刺激を伝える伝導路とされています。

錐体路の中枢は大脳皮質の中心前域と頭頂葉領域にあり末梢は全身の骨格筋を支配して終わります。

錐体路障害というのは,この中枢性の障害のことです。

5 正常な場合には,クローヌスは,生じないと言うことですか。(クリックすると回答)


神経学的には,そうです。
足でも膝でもクローヌスは,普通は出ません。
足,膝の骨格筋の収縮について反射と言いますが,反射中枢が,正常ならば抑制,つまりストッパーがかけられているのが正常ですが,そのストッパーが外れて反射亢進が著しいのがクローヌスです。

そのため,クローヌスを錐体路性反射として病的反射としています。

ただ,緊張によるものとか,他の要因もあり得ますので,確定ではなく,疑いということです。

6 膝クローヌスの検査のやり方はどうするのですか。(クリックすると回答)


足を伸ばしたままにします。お医者さんが,あなたの膝蓋(膝の皿)を親指と人差し指でつかみ,これを強くした向きに押し下げ,そのまま力を加え続けると,膝蓋が上下に連続して動くようならば,「膝クローヌス」があると言います。

7 足クローヌスのやり方はどうするのですか。(クリックすると回答)


仰向けで軽く膝を曲げて,お医者さんが右手であなたの膝の内側を支えて,左手を足底に当てて急激に足を上向きに押し上げて,そのまま力を加え続けると,下腿三頭筋の間代性痙攣が起こって,足が上下に連続して痙攣します。
それを「足クローヌスがある」と言います。
なお,間代の程度が弱く数回である場合には偽性間代と呼ばれています。
しかし,それでも錐体路障害を疑うべきであるとされています。

8 反射中枢の障害があると言うことは,骨折脱臼がなくてもあり得るのですか。(クリックすると回答)


脊髄損傷を疑うべきであるとされています。
しかし,確定診断ではないので,画像や他の神経学的検査を受診されて下さい。

なお,クローヌスは,下肢についての意義は認められていますが,上肢の診断的意義は乏しいという評価のようです。
また,クローヌスは,バビンスキー徴候と同じ診断提起意義があるともされています。


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バビンスキー反射(リンク)

脊髄損傷(リンク)

深部反射・表在反射・錐体路性反射((リンク))

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