Q.ブローカ失語とは何ですか。

[ブローカ,側頭葉,失語,流暢性,頭蓋骨骨折]

A.

1 症状

非流暢なたどたどしい発話であり,復唱も不良ですが,
聴覚的理解が比較的保たれています。

つまり,発話,理解(文法的理解),復唱,呼称,読み,書字とほとんどの分野での障害があります。

特に発話は 
発話量が減少する,
発語することが困難となる,
1語か数語の短い文しか発せられない,
文法を無視する,言いたい語が出てこない,
音や語の間違いが目立つ,

という状況が厳しいものです。


2 病巣

典型的ブローカ失語は,少なくとも下前頭回から中前頭回の後部と中心前回下部を含んだ

かなり大きな病巣によって起こるとされています。

さらに,側頭葉の前上方部や頭頂部の一部が含まれていることもあります。



3 ブローカ領域(野)とブローカ失語との関係

ブローカBrocaは,解剖所見によって失語の責任病巣をブローカ領域としました。

しかし,現在では,ブローカ領域だけでは,ブローカ失語とはならずに比較的流暢性が保たれている症例があり
復唱も保たれている症例があることが分かっています。

逆に,ブローカ失語となっていてもブローカ領域を含んでいない症例もあることが分かっています。

そこで,ブローカ領域はブローカ失語になるために必ずしも十分でないだけではなく,
必要とも言えない可能性が出てきました。

したがって,近い将来にはブローカ領域とブローカ失語は無関係といわれるようになってくるかもしれません。

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