Q.低活動膀胱(uderactive bladder)とは何ですか。後遺症(後遺障害はどうなりますか。
低活動膀胱とは,排尿時の膀胱収縮が障害されたものであり,そのために尿排出が困難となるものです。 後遺障害該当性が認められる可能性があります。
膀胱に多量の尿が溜まっていても尿意が乏しく,排尿筋収縮も極めて弱いか,欠如します。
患者は排尿困難を来たし,腹圧をかけることや下腹部を用手圧迫することで排尿を試みるが,排出効率が悪く多量の残尿が発生します。
さらには重症の尿閉になることがあるとされています。
外傷としては(下位)脊髄損傷が,あるいは脊髄係留症候群
(リンク),腰部脊柱管狭窄症なども原因となります。
尿意を感じ排尿しようとしてもなかなか出せず,尿が出はじめるまでに時間がかかるようになります。
正常の排尿は,膀胱に溜まった尿をすべて排出するまで途切れることなく続きます。
ところが排尿筋の収縮障害があると,排尿中尿線が途絶えたり再び出はじめたりするのです。
これを尿線の途絶と言います。
また,排尿中に尿勢を維持あるいは増加させようとして恣意的に腹圧をかけることがあります。これを腹圧排尿,または,いきみ排尿strainingと言います。
つまり,おなかの力でがんばって排尿している状態です。
排尿筋収縮力の全くない低活動膀胱患者では,完全に腹圧だけで排尿している場合もあるとされています。
膀胱の機能障害による排尿障害を残すものとして
a. 残尿が100ml以上であるもの
→9級
b. 残尿が50ml以上100ml未満であるもの
→11級
検査方法については,こちらを参照して下さい。
☆尿流動検査法urodynamics or urodynamic study UDS(リンク)