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エピソード記憶とは特定の時と場所で起こった個人的体験の情報に関しての記憶です。

近時記憶と遠隔記憶という言い方もあります。
数分，数時間後に思い出すことが出来るが，数日以上立つと思い出せない記憶が前者の近時記憶です。
これに対して，しっかりと貯蔵されて必要に応じて取り出しが可能な記憶が遠隔記憶です。

近時記憶は，情報源が知識であったとしても，覚える過程と密着しており，ほぼエピソード記憶に相当しています。
遠隔記憶には，自伝的記憶と社会的出来事とがありますが，基本的にはエピソード記憶に相当していますが，古い情報となってくると「知識」とも言えます。

エピソード記憶は特定のエピソードとの結びつきを必要とするものです。したがって，家族の名前，通学していた学校名，場所などは，特定のエピソードとの結びつきによらないために，エピソード記憶ではなく，個人的意味記憶といわれます。
(石合純夫著　「高次脳機能障害学」医歯薬出版（株）ｐ１６２参照)