Q.非器質性精神障害とは何ですか。後遺障害(後遺症)は,何級ですか。

[うつ,非器質性精神障害]

A.

脳の器質的損傷を伴わない精神障害です。
後遺障害と認定される可能性があります。
その場合には,障害の程度に応じて9,12,14級となります。

1 非器質性精神障害とは 
脳自体には器質的な傷害がないにもかかわらず,精神状態に異常が見られるものを言います。

主なものとしてPTSDが挙げられますが,それ以外にも外傷後のパニック障害,うつ障害があります。


2 非器質性精神障害の後遺障害認定要件 
非器質性精神障害の後遺障害が存在していると言うためには,
以下の(ア)の精神症状のうちの1つ以上の精神症状を残し,その上で(イ)の能力に関する判断項目のうち1つ以上の能力について障害が認められることを要します。

(ア)精神症状
①抑うつ状態
②不安の状態
③意欲低下の状態
④慢性化した幻覚・妄想性の状態
⑤記憶又は知的能力の障害
⑥その他の障害(衝動性の障害,不定愁訴)

(イ)能力に関する判断項目
①身辺日常生活
②仕事・生活に積極性・関心を持つこと
③通勤・勤務時間の遵守
④普通に作業を持続すること
⑤他人との意思伝達
⑥対人関係・協調性
⑦身辺の安全保持,危機の回避
⑧困難・失敗への対応

3 認定に際しての注意点はなにですか。  
後遺障害診断書を含めて診断書に非器質性精神障害を示す例えばPTSDと書かれていても,それだけでは,後遺障害と認定されません。

症状の詳細についてはご自分及び家族とで丁寧に作成して下さい。
そして能力に関する判断項目は担当医に照会されます。非器質性精神障害の後遺障害認定は,「非器質性」だけに画像等の他覚的所見で証明ができないために,それらの書面による表現が重要性を持っています。
担当医の理解と担当医との連携が大切だと言えます。

4 後遺障害等級
9級:非器質性精神障害のため,日常生活において著しい支障が生じる場合
12級:非器質性精神障害のため,日常生活において頻繁に支障が生じる場合
14級:おおむね日常生活は可能であるが,非器質性精神障害のため,日常生活において時々支障が生じる場合

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