Q.異名半盲とは何ですか。後遺症(後遺障害)は,何級ですか。

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A.

異名半盲とは,両眼の反対側の視野が欠損するものです。
つまり耳側あるいは鼻側視野が欠損するものです。

両鼻側半盲,両耳側半盲とがあります。

両眼の視野の右半部あるいは左半部が欠損するものを半盲といいます。
異名半盲とは,両眼の反対側が欠損するものです。
つまり耳側あるいは鼻側視野が欠損するものです。

後遺症(後遺障害)等級は,両眼に半盲症を残す場合であるので9級3号です。

視野の測定は,ゴールドマン型視野計によることとされています。
なお,半盲症とは,ゴールドマン型視野計によるⅤ/4視標による8方向の視野の角度の合計が,正常視野の60%以下となった場合とされています。

【異名半盲の原因】

異名半盲は,視交差(視交叉)と関係します。

網膜(眼底)からの神経は,脳の中で右眼の神経が左脳に,左眼の神経が右の脳へとつながっていきます。
このように視界の情報が反対側の脳に伝わることを視交差といいます。
視交差には,全部の神経が反対側に行く全交差と,半分の神経が反対側,残り半分が同じ側に行く半交差があり,ヒトでは半交差なのです。
視神経は,視交差で乗換えをしないで左右同じ側の大脳視覚野へと運ばれます。
これによって,左の大脳視覚野には全視界のうちの右半分の倒立像が,右のそれには左半分の倒立像が投影されることになり,この左右倒立された像を脳内で処理して,現実の視界を再構成しています。
ところが,視神経が,視交差の内側部分,すなわち左右の視神経が乗り換える部分で障害されると,反対側の眼からの視覚情報が大脳に伝わらなくなります。
全視界のうちの両耳に近い情報が入手できなくなってしまう病態が両耳側性半盲です。
これに対して視交差の外側からの圧迫があると,内側の鼻に近い部分の視野情報が障害されるのが両鼻側性半盲です。

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