Q.(完全)弛緩性麻痺とは何ですか。後遺障害(後遺症)との関係はどうですか。

[可動域制限,完全弛緩性麻痺,手関節,皮質脊髄路,筋トーヌス,肘関節,股関節,肩関節,膝関節,足関節]

A.


完全弛緩性麻痺とは,筋肉を支配するすべての末梢神経が機能しなくなり,筋肉は弛緩して受動運動のままとなる状態を言います。
可動域制限つまり機能障害が出てきます。そのために,関節における完全弛緩性麻痺は後遺障害の対象となるのです。

関節における完全弛緩性麻痺は,後遺障害において,可動域制限(運動機能障害)として「用を廃した(用廃)」として1関節で8級の認定を受けます。
これは,関節強直と同じです。
そして,弛緩性麻痺となった三大関節の数に応じた後遺障害等級と格付けがされます。

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1  完全弛緩性麻痺
完全弛緩性麻痺とは,筋肉を支配するすべての末梢神経が機能しなくなり,すべての随意収縮,筋のトーヌスや反射性運動はなくなり,筋肉は弛緩して受動運動のままとなる状態を言います。
筋のトーヌスとは筋緊張のことです。
筋緊張がなくなるあるいは低下するとは,要するに筋が緩む,弛緩すると言うことです。
外傷による末梢神経障害によって関節を可動させる筋が弛緩性麻痺になることで可動域制限つまり機能障害が出てきます。

そのために,関節における完全弛緩性麻痺は後遺障害の対象となるのです。


2 認定上の扱い
関節における完全弛緩性麻痺は,後遺障害において,可動域制限(運動機能障害)として「用を廃した(用廃)」として1関節で8級の認定を受けます。
これは,関節強直と同じです。

関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるものが,該当します。
「これに近い状態」とは,他動では可動するが,自動では健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。

完全弛緩性麻痺は,関節可動域の測定は,弛緩故に他動は可能であるものの,自動ができないものであり,
測定として他動運動が適切でない場合として自動運動で測定することとなるのです。


3 後遺障害(後遺症) 
両上肢全廃                 →     1級
両下肢全廃                 →     1級
上肢3大関節すべて強直+手指全部用廃=一上肢全廃 →  5級
下肢の三大関節のすべて強直     =一下肢全廃 →  5級
一関節強直=一関節用廃              →  8級


4 上肢・下肢の3大関節
上肢の3大関節=肩・肘・手
下肢の3大関節=腰・膝・足

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可動域制限

肩関節(リンク)

肘関節(リンク)

手関節(リンク)

股関節(リンク)

膝関節(リンク)

足関節(リンク)

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