高次脳機能障害の症状固定時期を事故から約2年6ヶ月とした判決です。

[症状固定,高次脳機能障害]

高次脳機能障害の症状固定時期(事故から約2年6ヶ月)

大阪地裁平成12年10月30日判決
自動車保険ジャーナル・第1403号


【事案の概要】
 被害者(事故当時5歳男子)は,平成7年5月27日頭部外傷,右外傷性脳内出血,外斜視の各傷害を負いました。
被害者の主張平成10年5月31日に症状固定したとするのに対して,加害者の主張は平成9年12月31日に症状固定したと争いがありました。


【判決の趣旨】
症状固定時期及び後遺障害等級に争いのあった事例です。
結果としては,後遺障害等級について被害者の主張が認められたものの,症状固定時期については,平成9年12月31日(事故から約2年6ヶ月)を主張する加害者側に軍配が上がりました。

 判決の考え方として,事故当時就学前の5歳児であったと言うことから,障害を中枢神経・精神(知能及び記憶面)・外傷性てんかんに区分した上で,それぞれの改善状況を詳細に検討して判断したと言えます。
特に,精神(知能面)について,「平成9年2月1日に実施した新版K式発達検査の評価と,平成11年3月26日に実施した同検査の評価」を比較して,特段の変化が見られないこと等を考慮すれば,遅くとも平成9年12月には症状固定したと判断するのが相当であるとしております。

精神(知能及び記憶面)については,特に知能の改善は通常は医学的には事故経過から1年以降は変化が見られないとも言われております。5歳児であったと言うことから慎重な判断をしたとも言えます。

 

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