育児休業中に事故に遭った兼業主婦について職場復帰予定日に復帰できなかった場合の休業損害の基礎収入に関する判決です。

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育児休業中に事故に遭った会社員兼主婦(事故時36歳)につき,職場復帰予定日に復帰できなかった場合に,育児休業中は賃セ女性学歴計を基礎(収入)とし,復帰予定日から実際に復帰した日までは育児休業前の年収である642万円余を基礎(収入)としました。
大阪高判平成16年9月17日
<出典> 自動車保険ジャーナル・第1588号

本件の特徴は,第1に兼業主婦でしたが実収入が平均賃金をかなり上回る場合であったこと,第2に育児休暇中の事故であったこと(育児休暇中は制度上は有給とはされていません。)です。

次に,時間の流れを少し整理しておきます。
被害者である原告は,
平成9年6月1日からは育児休業中であり,本件事故に遭わなければ,平成11年9月28日に職場復帰予定でした。
ところが,職場復帰目前の平成11年8月6日の本件事故によって,平成12年2月20日までは職場復職することができなかったのです。

判決では,
(ア)職場復帰予定後の休業損害として平成11年9月28日から平成12年2月20日まで
(イ)育児休業中の休業損害として平成11年8月6日から同年9月27日まで
と2分して,

(ア)の基礎収入としては,事故前年の実収入を採用し,
(イ)の基礎収入としては,産業計・企業規模計・女子学歴計の平均を採用しました。

(イ)においては,兼業主婦ではなく育児休業中であるため専業主婦ですから当然と言えば当然です。

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