ETCレーンに入るかどうか迷っていて,追突をされた場合の過失割合はどうなりますか。

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停止寸前のゆっくりした速度であったとしても,ETCレーンに入るかどうかを迷って,左右に進路変更をしていたような場合には,追突と言えども,3割の過失を認めら得る可能性があります。

東京地裁 平成18年8月9日判決(確定)
<出典> 自動車保険ジャーナル・第1720号(平成20年1月31日掲載)

【事案の概要】   (クリックすると回答)


高速道路料金所手前で,原告乗用車がETCレーンに入るか否か迷って,停止寸前の速度でありながら右,左と進路変更中に,被告回送観光バスがクラクションを鳴らしながら追突した事案です。
これについて,高速道路の渋滞していない料金所手前での追突であるもの,「原告は回避措置を取らなかった」とし,追突された原告にも過失があるのか問題となりました。

【判決の趣旨】  (クリックすると回答)


本件事故当時における被告車両は,減速が不十分であったか,原告車両との車間距離を十分にとらず,かつ,原告車両の動静を十分注視しなかった過失があるものといわざるを得ない。

他方,原告は,いったん左へ進路を定めた後に右へ左へとハンドルを切り,また,料金所エリア内とはいえ,未だ料金所よりも十数㍍ないし数十㍍後方にあって,周囲は渋滞のない状態であったにもかかわらず,停止寸前のゆっくりした速度で走行し,後方から進行する車両の進路を妨げた過失がある。

また,追突を回避すべき義務があるというべきであるが,原告においてかかる義務を履行したことを認めるに足りる証拠はないから,原告には事故回避措置を取らなかった過失がある。

そして,双方の過失割合についてみると,本件事故の現場は高速道路上であるが料金所の手前であって,車両が減速したり左右に進路を変更することは十分あり得る場所であること,基本的には追突事故であって,後方を走行していた被告車両の原告車両の動静に対する注視義務違反の過失が大きいものといわざるを得ないこと等双方の前記過失内容に照らすと,

双方の過失割合は,原告が30%,被告が70%とするのが相当である。

【コメント】  (クリックすると回答)

ETCレーンに入る前において,後方からの車両があることを予測して進路をみだりに変更すべきではない,仮に変更するならば運転動作として,後方から分かりやすいものにしないと,追突形態であっても過失相殺をされます。

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