Q.びまん性脳損傷についてのゼネレリの分類とはどういうものですか。
A.
1 びまん性脳損傷
外傷により,脳全体に損傷が及んだものを総称したものです。
外傷が脳の局所にとどまっている局所的脳損傷に対比して使われるようになった比較的新しい用語です。
2 びまん性脳損傷の分類
よく知られているところでは,ゼネレリの分類があります。
(1)軽症脳しんとう
(2)古典的脳しんとう
(3)びまん性軸索損傷
①軽症型
②中等症型
③重症型
(1)軽症脳しんとう
意識消失のない一時的な意識障害
(2)古典的脳しんとう
6時間以内の意識消失
(3)びまん性軸索損傷
①軽症型
6時間以上24時間以内の意識消失
②中等症型
24時間以上の意識消失,脳幹症状なし
③重症型
24時間以上の意識消失,脳幹症状あり
3 意識消失期間と後遺障害の関係
びまん性軸索損傷では意識消失期間は損傷程度に関係し,後遺障害の程度に関係します。
一般的に,意識障害が強く痛刺激などで反応しないと予後が悪いとされています。また,開眼してからもきちんと意思疎通が取れるかどうかが重要です。
つまり,まずは目が開いて覚醒するかどうか,目が開いてからの意識の内容が問題となります。
なお,意識消失ではなく,意識障害でも脳損傷となることはあります。
特に,6時間未満の意識障害にすぎなくとも,さらにそれさえなくとも脳損傷となることはあり得るかどうかは,議論があるところです。
----------------------
びまん性軸索損傷(リンク)
意識障害と消失(リンク)