Q.後縦靱帯骨化症(opll)を基礎疾病にする中心性頸髄損傷が発症した場合に後遺障害となりますか。
A.
骨傷のない頸随損傷として中心性頸随損傷は,
加齢変性による頸部脊椎症や後縦靱帯骨化症(opll)による脊柱管狭窄のある場合に頻発し,受傷の瞬間から四肢麻痺が発生するとされています。
後縦靱帯骨化症(opll)が基礎疾病としてあり,その上で受傷の瞬間から四肢麻痺が発生していれば証明としては容易と言えます。
あるいは,既に他の要因で脊柱管狭窄が生じていれば同様のことが言えます。
但し,問題は基礎疾病として脊髄圧迫症状が事故前に生じていて,それが受傷により麻痺症状を出現に至ったことが必要です。
脊髄圧迫症状発生としては,骨化部での脊柱管狭窄が約40%以上であるという見解があります。
後縦靱帯骨化症(OPLL)等による脊柱管狭窄が基礎疾病であることから四肢麻痺が生じたならば3級という高い後遺障害認定がされることさえもあります。
しかし,後縦靱帯骨化症に関する最高裁平成8年10月29日判決(いわゆるOPLL判決)により,
四肢麻痺の原因が素因であることから3割以上の素因減額がされることにもなります。
その意味では高い等級が認められながらも素因減額される両刃の剣と言えます。
脊柱管狭窄率(リンク)