Q.環椎・軸椎が固定して首を回せません(曲げることができません)。後遺障害(後遺症)に該当しますか。
環椎又は軸椎は,頭蓋骨のすぐ下にある頚椎の1番2番でそれを支える役割をしています。
骨折(脱臼)あるいは,手術により変形して,曲げることができなくなったり,あるいは回転させることができなくなったり,あるいは曲がったままの状態になることがあります。
状態と程度(角度)によって,後遺障害となります。
1 軸椎以下を可動させない,自然な状態で60度以上の回旋位となっているもの (クリックすると回答)
頚椎の1番(環椎)と2番(軸椎)は環軸椎関節を作り,首の回転の半分をつかさどっている"ゆるい"関節で,筋肉と強固な靭帯で保たれています。
「回旋位となっている」とは環軸椎回旋位固定とも言いでは環椎と軸椎の関係が大きく回転し,ずれた位置から正常な位置に戻れなくなり,"固定"した状態のことです。
つまり,首を横に向けたまま,正面や反対側を向けなくなる斜頚の一つと言えますが,それが外傷性のものと言うことです。
要するに,環軸椎回旋位固定となって,本来の頭の頂点のある位置から見て60度以上の角度がついてしまって正常な状態に戻れない場合が「脊柱に中程度の変形を残すもの(8級相当)」として後遺障害に該当します。
2 50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの (クリックすると回答)
回旋位と同様に,環椎と軸椎の関係が大きく回転し,ずれた位置から正常な位置に戻れなくなり,"固定"した状態のことです。
つまり,屈曲位は前屈,首が前に倒れたままの状態で環軸椎屈曲位固定のことです。その角度が本来の頭の頂点のある位置から見て50度以上であれば「脊柱に中程度の変形を残すもの(8級相当)」として後遺障害に該当します。
伸展位とは屈曲位と逆に後屈,首が後に倒れたままの状態で環軸椎伸展位固定のことです。
その角度が本来の頭の頂点のある位置から見て60度以上であれば「脊柱に中程度の変形を残すもの(8級相当)」として後遺障害に該当します。
3 側屈位となっており,X線写真等により,矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面の平行線が交わる角度が30度以上の角度となっているもの (クリックすると回答)
側屈位とは,首が左右のいずれか横に傾いたままの状態で環軸椎側屈位固定のことです。