Q.関節拘縮・強直とは何ですか。後遺障害との関係はどうですか。
関節強直とは関節自体が癒着し可動性を全く喪失した状態です。
関節拘縮は,関節強直が関節自体の状態に対して,関節外の軟部組織が収縮性変化を起こしてしまって関節の可動性が減少したり消失したものを言います。
骨折の後遺障害として最も多く発生して問題となるのが関節拘縮・関節強直という運動障害です。
関節の可動域制限(機能制限)として後遺障害(後遺症)の対象となります。
関節の可動域制限の主な原因が関節包外の軟部組織にある場合を言います。
つまり骨折と共に生じた軟部組織の損傷や長時間のギプス固定などのために,関節包や靱帯,筋の癒着とか短縮が生じたために起こる運動障害です。
なお,関節拘縮については,こちら
(リンク)も参照して下さい。
関節の可動域制限の主な原因が関節を構成する骨・軟骨自体にある場合を言います。
つまり,関節内の骨折によって関節面が破壊されたり,開放骨折による感染によって生じる関節内の運動障害です。
関節強直には,繊維性強直と骨性強直とがあります。
繊維性強直は関節面が結合組織により癒着したもので,少しは動くために不完全強直とも言われます。骨性強直は全く動かないために完全強直とも言います。
可動域2分の1以下=一関節著しい機能障害 → 10級
可動域4分の3以下=一関節機能障害 → 12級
両上肢全廃 → 1級
両下肢全廃 → 1級
上肢3大関節すべて強直+手指全部用廃=一上肢全廃 → 5級
下肢の三大関節のすべて強直 =一下肢全廃 → 5級
一関節強直=一関節用廃 → 8級