Q.膝蓋骨骨折とは,どのようなものですか。後遺障害(後遺症)は,どうなりますか。

[人工骨頭置換術,膝蓋骨骨折,膝関節]

A.

膝関節に影響する外傷としては,膝蓋骨骨折があります。

治療後に膝関節に可動域制限が生じることがあります。
その場合に後遺障害となる可能性があります。
可動域制限に応じて,
8級7号(用廃)10級11号(著しい障害)12級7号(単なる障害)があり得ます。

また,可動域制限がなくとも疼痛が残れば,局部の神経症状として12級13号もしくは14級9号に該当します。


1 膝蓋骨骨折とは,どのようなものですか。    (クリックすると回答)


交通事故による外傷としては,直達外力による縦骨折あるいは横骨折,さらには粉砕骨折があります。
いわゆるダッシュボードに膝を当てたダッシュボード外傷(骨折)の場合が大半だと言われています。

骨折としては,膝蓋骨に骨折線があるものの上下に離開(転位)していないもの,粉砕骨折のように明らかに離開しているものに区別できます。

明らかに離開していて観血的手術を行った場合には,膝関節の可動域制限が生じることがあり得ます。

2 膝関節の可動域制限についての後遺障害(後遺症)はどうなりますか。  (クリックすると回答)


(1)8級7号(用廃)
a. 関節が強直したもの
関節強直とは,関節自体が癒着して可動性をまったく喪失した状態を言います。
認定においては,完全強直を言います。つまり,関節が全く可動しないか,
またはこれに近い状態を言います。「これに近い状態」とは,健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。

b. 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
「これに近い状態」とは,他動では可動するが,自動では健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。

c. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

(2)10級11号(著しい障害)
a. 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

b. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていないもの

(3)12級7号(単なる障害)
関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの


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