A.

１　徒手筋力テスト  MMT　manual muscle test

個々の筋肉で筋力が低下しているかどうかを徒手的に，つまり検者の手を使って評価する検査方法です。

腰部神経症状では，下肢の筋肉において筋力低下が見られるかがテストされます。

筋力テストは５を正常としてゼロまでの６段階で評価され，中間的と判断されると５－，４＋とか表現されることがあります。３は抵抗が加わると関節が全く動かない状態を言うために，筋力低下が疑われます。

腰部神経症状のために筋力テストが行われるのは，下肢の次の筋肉になります。

①腸腰筋
②大腿四頭筋
③膝関節屈筋群
④下腿三頭筋
⑤長母趾伸筋
⑥前脛骨筋

 

２　筋萎縮検査

筋力テストと同様に頚椎からの神経根の支配領域に対応する筋萎縮が診られるかがテストの目的です。

麻痺が続いていくと筋萎縮が生じるからです。

大腿と下腿について周りの長さの計測により行います。

まさしく客観的な所見として重視されます。

 

３　知覚検査

腰部神経症状を調べるものは知覚検査でありますが，感覚検査とも言います。

四肢の感覚には皮膚感覚と深部感覚があります。
問題にするのは，皮膚感覚であり，その中でも触覚と痛覚です。

それぞれ，正常を中心にして過敏，鈍麻，消失と評価されます。

完全な神経断裂では感覚消失(脱失)となり，不完全な神経損傷では鈍麻となります。

快復期や軽度の圧迫では健常部との境界では過敏となります。

感覚障害が出現した部位をそれぞれの神経の支配領域と照らし合わせることによって，損傷している神経が判断されます。

そこで，正常ではない評価が出された場合には全体としての評価だけではなく，具体的な部位も記載して頂くことが重要です。

なお，残念ながら調査事務所は重視しないという意見もあります。