Q.頭蓋内血腫とは,何ですか。また,どのようなものがありますか。生命や重度の後遺障害(後遺症)となるのはどのようなものでしょうか。
A.
頭蓋内で出血が起こり,これがたまった状態を血腫と言います。
出血した部位により次のように分けることができます。
①硬膜外出血(ほとんどが急性です。)
②硬膜下出血(急性と慢性があります。)
③くも膜下出血
④脳内血腫
表皮から脳までを見ていきますと頭蓋骨→硬膜→くも膜→くも膜下腔→軟膜→脳(脳実質)となります。
①硬膜外出血は,頭蓋骨→硬膜の間の出血です。(硬膜より外なので硬膜外です。)
②硬膜下出血は,硬膜→くも膜の間の出血です。(硬膜より下なので硬膜下です。)
③くも膜下出血は,くも膜→軟膜つまり, くも膜下腔の出血です。(くも膜より下なのでくも膜下です。)
④脳内血腫は,脳の実質内,つまり脳そのものの出血です。
それぞれの病態も異なり,予後も違っています。
硬膜外出血と硬膜下出血でも重症度は全く異なります。
一般的に出血部位が脳に近い方がより重症度は高いと言えます。
それは,救命の可能性,そして救命後の後遺障害の重度と関係します。
なお,頭部外傷では,一般に受傷後3日までを急性期,4日から3週間までを亜急性期,それ以降を慢性期と言います。