Q.くも膜下出血は交通事故によってもなりますか。その場合の症状,治療,後遺障害について教えて下さい。
A.
くも膜下出血は,交通事故による外傷性でも発症します。
限られた範囲のものであれば軽度でありますが,脳挫傷や硬膜下血腫を合併していることが多くあります。
その場合には,脳全体の損傷とに関係して治療方針及び後遺障害も決まってきます。
くも膜下腔(くも膜と脳組織のすぐ表面をおおっている軟膜との間)に出血が起こり(脳脊)髄液に血液が混じった状態を言います。くも膜下血腫とは言わずに「くも膜下出血」と通常は言います。しかし,血腫がある場合にはくも膜下血腫があると言うようです。
なお,交通事故による外傷性くも膜下出血に対して突発的に起こるものを特発性くも膜下出血と呼びます。
なお,交通事故による外傷性くも膜下出血に対して突発的に起こるものを特発性くも膜下出血と呼びます。
通常は,脳挫傷に伴って発生します。衝撃のために発生した脳挫傷や脳裂傷によって起きた出血はくも膜下腔に広がり,既に破損された薄い軟膜やくも膜の外に大部分は出血して硬膜下血腫を形成します。そのために,脳挫傷や硬膜下血腫を発症するような患者の場合には,多かれ少なかれくも膜下出血が起こっていると言えます。
頭痛,嘔気・嘔吐,意識障害等であり,脳挫傷があればその症状に応じた症状も出現します。頭痛はこれまで感じたことのないような激しいものとされています。
特発性くも膜下出血を含めて,くも膜下出血に対する治療のための手術として開頭術によるクリッピングです。しかし,外傷性くも膜下出血は脳挫傷や硬膜下血腫を合併していることが多いので,それらと合わせての治療となります。ただし,限局した単なる外傷性くも膜下出血のみの場合には保存的治療ということもあり得ます。
5 後遺障害(後遺症)とはなりますか。(クリックすると回答)
外傷性くも膜下出血のみであれば,治療が適切におこなわれれば,後遺障害を残すことはほぼあり得ません。
しかし,脳挫傷や硬膜下血腫の合併症があれば,それらのものと同様となります。