Q.感覚障害とは何ですか。また原因と後遺障害(後遺症)についてはどうですか。
感覚には,体性感覚,特殊感覚,内臓感覚の3つがあります。
感覚障害というのは主に,体性感覚の障害を指しています。
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体性感覚は
(1)表在感覚(皮膚感覚)
(2)深部感覚(筋,腱,関節などからの固有受容覚)
(3)複合感覚(2つ以上の受容系からの感覚を複合して識別)
に分けることができます。
(1)表在感覚(皮膚感覚)はさらに(クリック)
①触覚
②痛覚
③温度覚
(2)深部感覚はさらに(クリック)
①運動覚
②位置覚
③振動覚
④圧覚,圧痛
(3)複合感覚はさらに(クリック)
①二点識別覚
②立体覚
③局在覚
④皮膚書字認知能
⑤重量覚
に分かれています。
2 脳損傷による感覚障害---脳幹障害 (クリックすると回答)
脊髄から上行する感覚伝導路に三叉神経からの伝導路が加わっていることから,障害された部位によって特徴がある障害を呈します。
(1)延髄・橋の内側障害
→触覚・深部覚の障害
(2)延髄の外側障害
→ワレンベルグ症候群
ワレンベルグ症候群とは,同側顔面の解離性感覚障害,第Ⅸ・Ⅹ・?脳神経麻痺,ホルネル症候群,小脳失調,眼振および反対側半身解離性感覚障害を呈するものです。
解離性感覚障害とは,部位によって温痛覚と触覚・深部覚・複合感覚が分離してどちらかのみが障害されるか障害程度に著しい差があることです。
(3)橋下部障害→病側顔面と健側頚以下の交叉性温痛覚消失(但し,非定型例もあるとされています。)
(4)橋中部以上障害→病側顔面の全知覚鈍麻と健側頚以下の温痛覚消失
3 脳損傷による感覚障害---視床障害 (クリックすると回答)
視床(クリック)とは,(大脳の)間脳の大部分を占める灰白質の塊で,様々な伝導路の中継核となっています。
ある意味の伝導路のハブです。
この障害は視床症候群と言われて,病巣反対側の半身感覚鈍麻と激しく不快な自発痛(視床痛)が見られます。
表在感覚障害よりも深部感覚,識別覚障害がより強く,立体覚消失も多く見られるとされます。
表在感覚障害は四肢遠位部ほど強いとされています。半数は顔面の間隔は保たれているとされています。
障害のされ方によっては,ほお,唇のみのしびれや半側の口周辺と手掌だけの感覚障害を呈するとされています。
4 脳損傷による感覚障害---頭頂葉皮質障害 (クリックすると回答)
半身または限局した部位の感覚障害が見られるものの,温痛覚と振動覚は侵されないとされています。
識別覚の障害が最も強く,複合感覚としての感覚要素がすべて障害されてしまいます。