Q.視覚障害(視力・視野)の後遺障害(後遺症)は,どのように認定されますか。
脳神経である視神経(第Ⅱ脳神経)は,視力と視野に関するものです。
その障害は,視力低下・視野欠損等をもたらします。
視神経の試験は,大脳障害の局在診断において重要とされています。
(1)視力
愁訴によって,まずは異常の有無を判断するとされています。
そして視力については,裸眼視力ではなく矯正視力が問題とされています。
視力は,例えば目の前30㎝で指の数が分かればn.d.(numerus digitorum 指数弁)30とします。そして,分読最大距離(㎝)で視力を表します。
50㎝で分かればn.d.50です。
(2)視野
対座試験,患者と医師が座って互いの眼と眼の距離が約80㎝になるようにします。
患者が交互に片方の眼を手でおおいながら,出ている方の眼で医師の指さす方向を追うことができるか,どこまで追うことができるのかをテストされます。
その際に,患者の眼球が固定しているかどうか,顔や首を動かして見ようとしているのかも観察されます。
しかし,これはあくまでも簡易な試験であります。
この簡易な試験での異常が発見されれば視野欠損,縮小が,ほぼ間違いなくあることになります。
小さな障害については視野計などのさらに精密な試験を要することになります。
視力低下については,程度にもよりますが,比較的に自覚症状として出やすいとされています。
視野欠損については,視角中心部の視野が保たれていることが多いために,わかりにくい,つまり自覚しない場合もあります。
視力低下・視野欠損についてそれだけで後遺障害とはなります。
しかし,重要なことは,脳損傷を示す1つの指標であり,それ以外の脳神経での損傷を疑う根拠となるのです。
視野障害には,次の3つがあります。
①半盲
②視野狭窄
③視野変状
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視野障害(リンク)