Q.動眼(Ⅲ),滑車(Ⅳ),外転(Ⅵ)についての損傷の調べ方と後遺障害はどうですか。
A.
この3つの脳神経は外眼筋および内眼筋をつかさどるもの,つまり眼瞼(まぶた)と眼球の動きをつかさどるものです。
その検査については次のものがあります。
1 眼瞼の観察
眼瞼下垂があるかを観察します。左右を比較します。
特に注意を要するのは,上眼瞼(上まぶた)の下端が瞳孔にかかっているかです。
かかっていれば,そこに下垂があるとされます。
2 眼球の観察
眼球の突出,陥没,そして斜視があるかを観察します。
3 瞳孔の観察
大きさ,左右が均等であるか,形が正円であるかを観察します。
4 瞳孔反射の観察
(1)対光反射
暗い部屋で光を視野に入れられて,瞳孔が収縮する反射を見るものです。
瞳孔の収縮が速やかであれば正常です。
(2)調節反射
患者が遠方を見ている状態から,その眉間から10から20㎝のところに指や鉛筆を置いて,それを見つめた際の瞳孔の大きさを観察するものです。
正常であれば瞳孔は収縮します。これは,両眼を内転させるための筋の収縮による「ふくそう反射」と目の前の物をよく見ようとする動向の調節反射によるものです。
5 眼球運動
患者であるあなたの目の前30から60㎝のところで医師の指や鉛筆などの指標になるものを上下左右に動かして,あなたの眼球の動きを観察するものです。
そのような動きに対応して眼球を動かすのは外眼筋によるものです。
外眼筋は6つの筋で構成されており,それぞれの筋に対応して動眼(Ⅲ),滑車(Ⅳ),外転(Ⅵ)の各脳神経が支配をしています。
眼球の動きの範囲や速度を観察することにより各脳神経麻痺の有無や状態が分かります。