Q.副(Ⅺ)神経の損傷の調べ方と障害についてはどうですか。
A.
副神経は脳神経の一つであり(リンク),純運動神経として僧帽筋の上部と胸鎖乳突筋を支配して頭を回転させたり,肩の挙上に関わっています。
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損傷の調べ方
簡単な僧帽筋と胸鎖乳突筋の試験で可能とされています。
それは,直立した際の肩の下がり方の左右差があるか,僧帽筋の筋力テスト,あるいは胸鎖乳突筋の触診や収縮を調べることにより行われます。
2 障害
僧帽筋と胸鎖乳突筋の麻痺です。
胸鎖乳突筋麻痺があると,頭が患側に倒れて健側を向くようになります。
さらに両側胸鎖乳突筋麻痺があると,頭が後に倒れやすくなります。
副神経麻痺では僧帽筋の筋力も低下します。
なお,副神経の一側の単麻痺は希で,多くは他の各脳神経麻痺を伴うとされています。
胸鎖乳突筋:頚部の中で,最も目立つ筋肉です。顔を横にすると浮き出る筋肉です。胸骨,鎖骨を始点として側頭骨の乳様突起を終点とします。
僧帽筋:要するに肩の筋肉です。上行部,横行部,下行部に区分することがあります。