Q.GCS(Glasgow Coma Scale)とは何ですか。
A.
これは,意識障害の判定にばらつきがあったことを解消するために考案されました。現在では頭部外傷の意識障害の分類に関して国際的に広く用いられています。
分類としては,開眼,言語の応答,運動機能の3要素を尺度の基本として,それぞれを4から6項目に分け,それぞれの項目毎に1点から1点刻みで点数を振り分けて,
その合計点数で評価するものです。15点満点で意識障害なし,つまり意識清明となります。
Ⅰ 開眼(4段階)
自発的に開眼する=4点
言葉により開眼する=3点
痛みの刺激で開眼する=2点
開眼しない。=1点
Ⅱ
言語の応答(5段階)
見当識正常=5点
会話がめちゃくちゃ=4点
不適切な言葉=3点
意味不明な音声=2点
発声なし=1点
Ⅲ
運動機能(6段階)
命令に従う=6点
痛みの刺激に対し手足で反応=5点
痛みの刺激に対して四肢を引っ込める=4点
痛みの刺激で手足を異常に曲げる=3点
痛みの刺激で手足を異常に伸展させる=2点
全く動かない=1点
外傷性脳損傷(TBI:Traumatic Brain Injury)とGCSとの関係
軽度外傷性脳損傷 mild
TBI GCS 13~15
中度外傷性脳損傷 moderate TBI GCS
9~12
重度外傷性脳損傷 severe TBI GCS 3~8
GCSは,あくまでも昏睡尺度であり,その後の転帰(治療経過,後遺障害)とはすべて一致するものではありません。