Q.ロンベルグ試験及びロンベルグ徴候とは何ですか。
体の安定性を見て,脊髄・脳の損傷を試験するものです。両足直立試験とも言います。
脊髄後根の障害も分かりますが,前庭機能(内耳における平衡機能)の障害,さらには小脳失調が分かることがあります。
1 ロンベルグ試験 ( Romberg Test)(クリックすると回答)
開眼及び閉眼の状態で,両足をそろえてつま先を閉じて立った場合に体が安定しているかどうかを見るものです。
この場合に大きく体が揺れて倒れてしまうことがあり,それをロンベルグ徴候(Romberg sign)陽性と言います。
なお,神経質な人であったり,あるいは緊張したためにテスト結果が陽性となることもあるので注意が必要とされています。
洗面時に体がふらついて,体をかがめた前方に倒れかかってしまう現象です。
これもロンベルグ徴候(Romberg sign)陽性と同じとされています。
3 ロンベルグ徴候Romberg sign 陽性 (クリックすると回答)
脊髄後根,後索の障害があれば,閉眼すると激しく動揺したり,倒れるとされています。
小脳・前庭機能障害があれば,視角による影響が少ないため開眼・閉眼とで顕著な差はなされています。病巣との関係は,次に述べます。
3で述べましたとおり,脊髄後根,後索の障害に限定する考え方もありますが,それに限らず前庭性,下肢筋力低下性を含める考え方が多数のようです。
前庭・迷路系のロンベルグ徴候では目を閉じてから時間が経ってようやく動揺がはっきりしてきますが,倒れるまでには至らないようです。
しかし,小脳・脳幹の損傷による中枢性の前庭機能が異常となっている場合には,後方に倒れる傾向があると言われています。
なお,ロンベルグ徴候は,あくまでも診断の手段です。
その他の画像等の他覚的所見に基づいて後遺障害は認定されます。