Q.腓骨神経麻痺とは何ですか。後遺障害(後遺症)となりますか。
A.
坐骨神経から脛骨神経と共に,枝分かれをした腓骨神経は足関節の運動に重要な枠割りを果たしています。
腓骨神経麻痺が生じると,足関節の背屈が不能となってしまって下垂足(垂れ足)となり,後遺障害(後遺症)となってしまう可能性があります。
坐骨神経は脛骨神経と腓骨神経とに枝分かれをして,両者で足の運動と感覚を支配します。
そして,腓骨神経は,前脛骨筋,長母趾および長趾伸筋,さらに長・短腓骨に枝分かれをします。
腓骨神経は,足関節の背屈と足趾の伸展を司る筋肉群を支配するとともに,下腿外側と足背の知覚を支配します。
2 腓骨神経麻痺の原因は,どういうものですか。 (クリックすると回答)
膝関節脱臼等の腓骨上端の外傷が原因となることがあります。
また,骨折後のギプス固定が原因となることがあります。
3 腓骨神経麻痺の後遺障害(後遺症)は,どうなりますか。 (クリックすると回答)
足関節背屈障害の下垂足(垂れ足)の場合には,弛緩性麻痺のために自動ではできなくとも他動では可動できます。
そこで,用廃ではなく関節の運動機能に著しい制限があるものとして12級7号に該当すると言えます。
また,骨折を原因とする場合には骨折受傷部の疼痛が残存すれば局部の神経症状として12級13号もしくは14級9号に該当する可能性があります。