Q.MRI磁気共鳴画像法とはどの様なものですか。---交通事故賠償は,むさしの森法律事務所
1 MRIの原理
MRI:magnetic resonance
imaging磁気共鳴画像法は,核磁気共鳴法に基づいています。
核磁気共鳴法nuclear magnetic resonance
とは,特定の核種(元素)を一定の磁場の中において電磁波を照射すると,その元素に固有の周波数の電磁波が反響/共鳴されます(核磁気共鳴現象)。その現象を利用して反響する電磁波を観測して数学的に解析して(フーリエ変換)その元素の情報を得るやり方です。
臨床的には,有用とされている元素は水素のみです。
生体内には,多くの水素による化合物が含まれていますが,最も多いのは水です。そのために他のアミノ酸,乳酸といった水素化合物を観察するために水の信号を抑制する必要があります。
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MRI強調画像とは
元素から反響される信号強度には,様々な情報があり,画像の種類も多くあります。そこで,臨床としては,用途・目的に応じてシークエンス(照射周波数,傾斜磁場,受信の組み合わせ)を工夫して撮影をしています。それらを強調画像weighted
imageと呼んでいます。
3 T1時間とT2時間
MRIではよくT1,T2という用語が使われており,画像にも記載があります。2のMRI強調画像との関連では,T1強調画像,T2強調画像という呼び方をされています。
T1とはT1時間のことです。つまり,縦緩和時間とも言われて,磁場内で周波数により励起された水素が元の状態に戻るまでの時間と言うことです。つまり,スピンをかけられた水素がスピンを終えて静止するまでの時間です。
従って,T1時間が長いと励起が終了していない間に次の照射がされるために飽和状態となり信号の低下が起こります。
逆に,T1時間が短ければ,信号は増強されます。そこで,信号の強さは,T1時間の逆数,つまり,反比例の関係にあります。
T2とはT2時間のことです。これは励起された水素が信号を発する時間の長さです。
水素がスピンしている間の時間です。数学的な解析(フーリエ変換)後の信号において,この時間が長いほど信号強度が強い,つまりT2時間が長いほど信号が増加します。
従って,信号の強さは,T2時間の順数,つまり,比例の関係にあります。