Q.頭蓋内出血の発見には,MRIのT1強調画・T2強調画像,FLAIR画像は,関係しますか。
頭蓋内出血の発見には,MRIのT1強調画・T2強調画像,FLAIR画像の,それぞれの特性を生かした利用がされています。 1 T1強調画像では何が分かるのですか。 (クリックすると回答)
2 T2強調画像では何が分かるのですか。 (クリックすると回答)
3 脳内の出血発見に対してはどうでしょうか。 (クリックすると回答)
4 FLAIR画像では何が分かるのですか。 (クリックすると回答)
大脳は,灰白質,白質,灰白質,言い換えれば神経細胞,神経繊維,神経細胞という重層構造になっていますが,それらが良好に映像化されます。
すなわち,病変部では,このT1時間が延長し,映像では信号の低下(low intensity sign)が認められます。
一般的には,病変検出能力が高いとされています。
それは,脳の病変がある場合には,多くでT2時間の延長があることから,信号強度が強まるからです。
脳浮腫,脳梗塞,脳腫瘍などの病変があれば,水があるためT2時間が延長して高信号として検出されます。
超急性期出血(受傷直後)の診断においてはT1強調画像が優れているとされています。
しかし,CTは出血に対して高吸収値を示すことから,受傷直後の出血発見にはMRIよりも優れているとされて,今日ではCTが一般的になっているようです。
病変検出の基本とはなっています。そのため,時間経過と共に,特に慢性期にはT2強調画像が使われているようです。
しかし,脳出血,くも膜下出血が明瞭にとらえることができないという欠点があるとされています。
さらに脳脊髄液も高信号を出すために,それが阻害要因となって鑑別が難しいとされています。
そのために,その欠点を克服するためFLAIR画像が用いられるようになっています。
FLAIR画像は,そのような病変によるものではない水の信号を抑制させたものです。
これにより脳脊髄液は低信号となるために,病変との鑑別は容易となります。