Q.坐骨神経麻痺とは何ですか。後遺障害(後遺症)は,どうなりますか。
A.
坐骨神経麻痺は,骨盤骨折や,股関節骨折脱臼に併発することが多いとされています。
坐骨神経麻痺により腰から下の股関節・膝関節・足関節の可動域制限の後遺障害が生じる可能性があり得ます。
坐骨神経は,腰神経叢から出て下肢を支配する神経の1つです。
坐骨神経は,運動枝,知覚枝及び自律神経線維が含まれています。
坐骨神経の運動枝が障害されてそれが著明になったものを坐骨神経麻痺と言います。
交通事故などの外傷によるものとしては股関節骨折・脱臼,骨盤骨折による直接損傷等です。
なお,股関節脱臼の中でも後方脱臼の場合に多く見られます。
また,大腿骨頭の後方脱臼により希に生じるとされています。
脱臼であれば,多くは,緊急に脱臼の徒手整復です。
それでも麻痺が回復しない場合には,神経剥離術を行うとされています。
完全な神経損傷となると膝部から下の完全麻痺となります。
不完全な神経損傷では総腓骨神経領域の麻痺となります。
膝関節の,あるいは膝関節及び足関節の用廃を含む重篤な後遺障害が残る可能性があります。
例えば膝関節の用廃となると8級に該当する可能性があります。
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股関節骨折脱臼(リンク)
骨盤骨折(リンク)
膝関節の可動域制限(リンク)