Q.深部感覚の検査方法はどのようなものですか。
深部感覚とは,皮膚表面より奥の骨膜,筋肉,関節などから伝えられる深部の感覚です。関節の位置・動く方向に関わる感覚です。
位置覚,振動覚,複合感覚(特に2点識別覚)等があります。
その検査方法には様々なものがあります。音叉といった道具で振動を使ったり(振動覚),あるいは,術者の手指を使ったりします。(位置覚)
2点識別覚ではコンパス,ディスククリミネーターを用います。
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深部感覚とは,文字通り,皮膚表面より奥の骨膜,筋肉,関節などから伝えられる感覚です。
関節覚,位置覚,受動運動覚とも言われています。
従って,検査方法は,他覚的に=医師が,患者の関節,筋肉,靱帯を動かして,その反応を観察することが方法です。
2 深部感覚にはどのようなものがありますか(クリックすると回答)
深部感覚には,
振動を感じる振動感覚,
四肢がどのような位置をとっているか判断する位置感覚,
2点識別覚等の複合感覚
があります。
それは,関節感覚です。
すなわち,関節が,どの位置にあり,どの方向に動いたかを伝える神経繊維は脊髄後索を通ります。
従って,関節感覚の障害があるかどうかの検査は,その後索の障害を知ることになります。
すなわち脊髄損傷の可能性をうかがわせるものです。
(1)位置感覚
体の一部が空間のどの位置にあるかを感知する感覚です。
検査方法→患者が閉眼のままで,自分の体の一部,例えば左側の指をお医者さんが動かしたことに対して,どの位置にあるかをてさせるものです。
しかし,実際には次の受動運動感覚の検査が主に用いられています。
(2)受動運動感覚
位置感覚と似ていますが,四肢の関節をお医者さんが動かして,それが分かるかどうかを検査するものです。
感覚がおかされていると,関節の動きが感知できないのです。
しかも,末端ほどおかされやすく手足の指,特に足の母趾の関節覚がおかされやすいとされています。
(3)
振動覚
振動数の少ない音叉を振動させて,それを胸骨,手指・足趾(特にその末端),骨の突出部(くるぶしなど)に当てて,振動が分かるかどうかを検査します。
異常は,振動鈍麻,振動消失です。
50歳以上は特に障害がなくとも減弱していることがあり,あるいは太っている場合にも減弱していることもありますが,振動覚障害は後索の障害を示すと考えられています。
脊髄損傷の可能性をうかがわせるという限度に留まります。
確定的診断は,画像所見および対応する神経学的検査の結果も重要でしょう。
つまり,深部感覚検査の結果が陽性であるからと言っても,必ずしも,脊髄損傷と診断される言うことではありません。
深部感覚異常があるものの,画像所見等が得られずに,後遺障害が認定されない場合もあるかと思われます。