Q.頭蓋骨骨折と急性頭蓋内血腫の関係はありますか。頭蓋骨骨折がないのに発症することがありますか。

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A.

頭蓋骨骨折をした場合に,急性頭蓋内血腫を起こす場合もありますし,起こさない場合もあります。
しかし,頭蓋骨骨折がなくとも急性頭蓋内血腫を起こす場合もあります。
血腫については,
①急性硬膜外血腫
②急性脳内血腫(Ⅰ型)
③急性脳内血腫(Ⅱ型)
④急性硬膜下血腫
その場合には,外傷性脳損傷となることがあります。
この様に頭蓋骨骨折と急性頭蓋内血腫とは関係する場合とそうでない場合とがあります。

1 頭蓋骨骨折が原因となる頭蓋内血腫は何ですか。(クリックすると回答)

①急性硬膜外血腫と③急性脳内血腫(Ⅱ型)がそうです。

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2 頭蓋骨骨折が原因とならない頭蓋内血腫とは何ですか。(クリックすると回答)

②急性脳内血腫(Ⅰ型)がそうです。

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3 頭蓋骨骨折が必ずしも関係しない頭蓋内血腫とは何ですか(クリックすると回答)

④急性硬膜下血腫がそうです。

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4 ①急性硬膜外血腫とは何ですか。(クリックすると回答)


急性硬膜外血腫とは,頭蓋骨骨折によって頭蓋骨のすぐ下にある血管が損傷して出血することにより生じます。なお,硬膜外血腫についてはこちら(リンク)
しかし,頭蓋骨と硬膜の間に血腫ができるため脳実質にはそのままでは損傷は生じていません

症状としては,意識障害があっても一次的脳損傷(直接的損傷)がないために,意識が一次的は回復します(これを意識清明期といいます。)。
そして,その後に意識障害が生じることがあります。
その意識障害は増大する血腫による脳実質への圧迫,ヘルニアによる中脳への圧迫に因ります。

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5 ②急性脳内血腫(Ⅰ型) とは何ですか。(クリックすると回答)

6 ③急性脳内血腫(Ⅱ型)とは何ですか。(クリックすると回答)


頭蓋骨骨折による脳挫傷があるものの,血管が直接していないにもかかわらず,透過性が著しく亢進してしまい,その脳挫傷部位に一致して出血して血腫となってしまうものです。

症状としては,意識障害が一時期好転して,その後に悪化するものです。早期から頭蓋内圧亢進をしますが,この急性脳内血腫(Ⅱ型) は受傷後8から12時間後という短期間に血腫が形成されたとしても急激に症状が悪化することはないとされています。

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7 ④急性硬膜下血腫とは何ですか。(クリックすると回答)


急性硬膜下血腫とは,硬膜とクモ膜との間に生じた血腫を言います。なお,硬膜下血腫についてはこちら(リンク)

これは,物体と接触した際の直撃と対撃による場合と,頚椎を支点にした加速度運動が脳に加えられた場合とがあります。成人については,多くが接触によるものです。

しかし,高齢者や小児の急性硬膜下血腫の中には,加速度衝撃によって脳表と硬膜との間隙を走行する架橋静脈が断裂されて発症することがあります。
この様に,急性硬膜下血腫は加速度運動による発症の場合には頭蓋骨骨折が関係しませんし,接触した場合でも頭蓋骨骨折しなくとも発症することがあり得ます。
症状としては重く,意識障害が一時改善することも少なくなっています。また痙攣発作を伴うものも多くあります。
また,生命に関わることも多く,救命されたとしても重い後遺障害を残すことが多くあります。

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