Q.高次脳機能障害の注意障害とは何ですか。その検査方法はどのようなものがありますか。

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A.


注意ということは,意識の焦点化と集中とも言い換えられます。

全般性注意と方向性注意に分類されます。
通常は,全般性注意について注意機能と言います。

症状としては,作業・学習が長続きしない,集中力が落ちて注意散漫となった,興味関心がなくなった,飽きっぽくなった,等に見られます。
検査方法としては,次のものがあります。
(1) 視覚的抹消検査 Visual Cancellation
(2) 聴覚性検出検査 Auditory Detection
(3)ストループテスト



1 注意障害の検査方法にはどのようなものがありますか。 (クリックすると回答)


(1) 視覚的抹消検査 Visual Cancellation
一定の範囲の中にあるある物を別のものを排除しながら拾い出す検査です。
処理速度と正答率が問題となります。
例えば,△,特定の図形,数字の「3」,ひらがなの「か」を拾い出すものです。
注意障害があると,単純な作業であるものの,処理速度が年齢別平均から見ても遅くなり,誤答も出てきます。

(2) 聴覚性検出検査 Auditory Detection
ト,ド,ポ,コ,ゴの5種類の似ている音を1音/秒の速度で5分間聞かせます。
そして,例えば「ト」の音を基準とすると,「ト」の音のときに合図するようにします。
各音はランダムに配列されていて,基準の音は1分間で10回現れ,合計して50回出現します。
正答率が問題ですが,注意障害があると統計的な確率である的中率よりも下回ることがあります。

(3)ストループテスト
赤青緑黄の色名を当てさせるテストをした上で,赤青緑黄の4文字を意味と異なる色を書いておいて早く色名を当てさせるというもので,
色のみに集中して無関係な文字情報を排除することができるかを試すテストです。
処理速度と誤答数が判断基準となります。

2 そもそも注意機能・注意障害とは何ですか。 (クリックすると回答)


(1)注意・注意機能

注意ということは,意識の焦点化と集中とも言い換えられます。
注意については,能動的注意,つまり意図的・意識的な注意と,受動的注意,つまり自動的・無意識的注意とに分けられます。

症状としては,作業・学習が長続きしない,集中力が落ちて注意散漫となった,興味関心がなくなった,飽きっぽくなった,等に見られます。

(2 )注意機能の分類とは
全般性注意と方向性注意に分類されます。
通常は,全般性注意について注意機能と言います。
したがって,注意機能脳障害とは,全般性注意機能の障害を意味しています。

なお,方向性注意とは,右や左という特定の空間的な方向に対する注意を言い,その障害がいわゆる半側空間無視です。

3 (全般性)注意障害の分類はどうですか。 (クリックすると回答)


①選択機能障害は,注意散漫ということです。
②維持機能障害とは注意が持続しないで次に移ってしまうために,集中すべきことが行えなくなります。
③転換機能障害とは同じことを繰り返したり,複数の過大を順番にこなすことがうまくできなくなったりします。
④配分機能障害とは同時に複数の作業を行うことができなくなります。ワーキングメモリーとの関係が言われています。

4  注意障害の症状の程度はどうですか。(クリックすると回答)


軽度:検査上は一貫した無視を示さず,日常生活動作で,あるいは短時間露出で無視が認められる。
なお,両側同時刺激を行うと病巣反対側を見落とす,すなわち一側消去現象(extinction)を示す。

中等度:常に無視が生じるが,注意を促すことで無視側を見ることができる。

重度:身体が病巣側に向き,注意を促しても無視側を見ることができない。

5 注意障害とMRI画像所見の関係はどうですか。 (クリックすると回答)


特定の病巣と言うよりも,注意機能を支えるネットワーク構成部位での所見で判断されます。

特に注意機能との関連が深いとされているのは
中脳背側,視床,前部帯状回,上頭頂小葉,下頭頂小葉,前頭眼野,さらに,背外側前頭前野,眼窩回,前部内側前頭前野です。

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