Q.高次脳機能障害での視覚失認とは何ですか。視力異常はないのに,図形・文字等が認識できません。

[側頭葉,後頭葉,視覚失認,視野]

A.

視覚失認とは,視力などの機能や他の感覚機能による認知は保たれているのに,物体を見ても何であるか分からない状態を言います。
統覚型視覚失認と連合型視覚失認に大きく分けられます。統覚型では物体の形態イメージもできないのに対して,連合型は,それについては保存されています。

1 視覚失認とは何ですか。
視覚性の物体の認知障害です。他の感覚機能による認知は保たれ,物体を認知するに十分な視力・視野は保たれています。
それにもかかわらず物体を見ても何であるか分からない状態です。
物体の名前を言うことも,どのようなものであるかを説明することもできません。


2 視覚失認の種類
統覚型視覚失認と連合型視覚失認があります。
両者の違いは,統覚型では物体の形態イメージもできないのに対して,連合型は,それについては保存されています。
また,統覚型は重い症状となるとされていましたが,近年になって軽い症状のものがあることが分かり,統覚型を古典的なものと,そうでないもの(統覚に障害がある視覚失認)とに分類がされています。


3 統覚型視覚失認とは何ですか。
古典的なタイプのものは,単純な図形である○と△の識別もできません。
そのために,文字・顔の認知もできません。
模写することことはもちろん,同じ図形同士をマッチングすることや異同を識別することもできません。

近年になって言われている古典的統覚型視覚失認とは別のタイプのものです。
これは同じ図形同士をマッチングすることや異同を識別することはできます。
しかし,複数の線画の重なりを見て,その中にある線画を一つずつ分析していくことができません。

4 連合型視覚失認とは何ですか。
物体を見ても,その名前や用途を口頭でも身振りでも説明することができません。
しかし,すべて分からないのではなく,時間をかけていけば認知することができます。
また,示されている物体と同じものを写真などから選択するマッチング,2つの物体の異同弁別は可能です。また模写は可能ですが,その物体が何であるかを理解して模写しているものではないということです。

 

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る