Q.進行性頭蓋骨骨折とは何ですか。
A.
新生児・乳児では頭蓋骨の骨癒合が十分ではなく,また,硬膜と頭蓋骨の癒着が強く硬膜が薄いという特徴があります。
そのことから,線状骨折した骨折部が膨隆することがあります。これを進行性頭蓋骨骨折といいます。
つまり,線状骨折が骨折部の硬膜損傷ないしは脳挫傷を発生させて,その骨折線の真下の部位に局所的な頭蓋内圧亢進をもたらします。
その結果として,骨折縁を拡大させて,骨折縁はさらに周辺の骨を硬化させて,そのために骨折部が膨隆していくのです。
なお,膨隆するのは,骨折のために欠損した骨を補おうとして皮膚が膨隆します。
その膨隆は脳表損傷によって発生した肉芽,肉芽腫あるいはクモ膜などによる嚢腫の場合があります。
さらに,この場合には外傷性てんかんをともなっていることがあります(リンク)。