Q.泌尿器障害で言う無抑制収縮UICとは何ですか。後遺障害(後遺症)になりますか。

[UIC,尿失禁,無抑制収縮,蓄尿障害,頻尿]

A.

尿を溜めるべき蓄尿期に膀胱が勝手に収縮するので,尿意切迫感,頻尿,および切迫性尿失禁などの蓄尿障害の症状が出現するものです。

1 無抑制収縮とはどういうものですか。  (クリックすると回答)


蓄尿期に膀胱(排尿筋)が弛緩しないで,不随意に(勝手に)収縮してしまう症状です。

これは過活動膀胱(OAB overactive bladder)として蓄尿障害の一種で排尿筋(膀胱)の不随意収縮(排尿筋過活動)がその病態であると説明されています。
つまり尿を溜めるべき蓄尿期に膀胱が勝手に収縮するので,尿意切迫感,頻尿,および切迫性尿失禁などの蓄尿症状が出現します。

2 無抑制収縮の原因はどのようなものですか。 (クリックすると回答)


下部尿路の支配神経が,脳や脊髄レベルで障害されたときに発症するとされています。
そして,原因としては2つに分類されています。

①脳幹部橋排尿中枢(PMC:pontine micturition center )より上位の障害
すなわち,脳障害により大脳皮質,大脳基底核などによるPMCへの抑制が障害されているため,膀胱にある程度の尿が溜まるとPMCを中枢とする排尿反射が容易に作動してしまうのです。

これが過活動膀胱(OAB overactive bladder)のメカニズムと考えられています。
排尿反射が容易に作動してしまうので,蓄尿仕切れずに排尿したり,尿意を感じやすくなります。


②核上型脊髄障害
脳幹と仙髄の間が障害された核上型脊髄障害では,本来はあるべきではない仙髄を中枢とする排尿反射路が新しく形成されます

大脳およびPMCの連絡が途絶するので,蓄尿に伴う膀胱知覚(尿意感)が乏しくなるかなくなってしまって,少量の尿が溜まると仙髄反射が作動し膀胱は不随意に収縮してしまいます。
尿を溜めるために弛緩しなければならないのに収縮しまって排尿したり尿意を感じやすくなります。

尿道.jpg

3 無抑制収縮による後遺障害はどうなりますか。 (クリックすると回答)


蓄尿障害を残すものとして以下の様になります。

(ア) 尿失禁を残すもの
a. 持続性尿失禁を残すもの
→7級

b. 切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁
a)終日パッド等を装着し,その上,パッドをしばしば交換しなければならないもの
→7級
b)常時パッドを装着しなければならないが,パッドの交換までは要しないもの
→9級
c)常時パッドの装着は要しないが,下着がぬれるもの
→11級

(イ) 頻尿を残すもの
頻尿を残すもの→11級
「頻尿」とは,次のいずれにも該当するものを言います。
a. 器質的病変による膀胱容積の器質的な現象または膀胱若しくは尿道の支配神経の損傷が認められること
b. 日中8回以上の排尿が認められること
c. 多飲等の他の原因が認められないこと

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検査方法については,こちらをご覧下さい。

泌尿器障害(蓄尿障害・排尿障害)に関わる尿流動検査法urodynamics or urodynamic study UDS(リンク)

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