Q.泌尿器障害(畜尿障害)の無抑制括約筋弛緩UIRとは何ですか。
外尿道括約筋の持続的な収縮が障害されると無抑制括約筋弛緩UIRuninhibited sphincter relaxationとなります。
尿失禁の原因となります。
1 無抑制括約筋弛緩とはどういうものですか。
下部尿路に関する体性神経としては,仙髄(S2~4)の前角で
Onuf(オヌフ)核から出た陰部神経が(外)尿道括約筋と骨盤底筋へ分布しています。
この陰部神経は蓄尿時に常に活動しており,外尿道括約筋を持続的に閉じる働きをしているのです。
つまり,外尿道括約筋が閉じずに開いていては,逆流して蓄尿できないからです。
陰部神経の障害から外尿道括約筋が開いたままの無抑制括約筋弛緩UIRuninhibited sphincter relaxationと呼ばれる状態が起こり尿失禁の原因となるのです。
希ではあるが無抑制収縮UIC の出現と同時に無抑制括約筋弛緩UIRuninhibited sphincter relaxationが起こることがあります。
この現象があると患者は尿意を生じると同時に尿を漏らしてしまい,全く我慢ができません。
ただし無抑制収縮が強いと無抑制括約筋弛緩がなくても尿意と同時に尿失禁が起こるので,症状からだけでは無抑制括約筋弛緩の有無を判断することは困難とされています。
2 無抑制括約筋弛緩による後遺障害はどうなりますか。
蓄尿障害を残すものとして以下の様になります。
尿失禁を残すものとして
a. 持続性尿失禁を残すもの
→7級
b. 切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁
a)終日パッド等を装着し,その上,パッドをしばしば交換しなければならないもの
→7級
b)常時パッドを装着しなければならないが,パッドの交換までは要しないもの
→9級
c)常時パッドの装着は要しないが,下着がぬれるもの
→11級