Q.網様体賦活系(RAS reticular activating system )とは何ですか。その障害はどのようなものですか。
網様体とは,脳幹にあってヒトの意識に関連する部分です。
障害されると意識障害となります。
脳幹の中間領域にあり,神経細胞と,それに網状につながっている突起があります。
つまり白質と灰白質が混在している部分です。
それを総称して網様体と言います。
2 網様体賦活系の役割とは何ですか。 (クリックすると回答)
感覚経路には,体内の内部環境や体の周囲の外部環境を大脳皮質に情報として伝える経路である特殊感覚経路があります。
それに対して,大脳皮質全体の興奮を高める非特殊感覚経路があります。
網様体では特殊感覚経路によって統合された情報と併せて上行性の非特殊感覚経路を伝わって視床を経て大脳皮質に全体に伝えられます。
網様体から大脳皮質に至るこの上行性非特殊感覚経路を網様体賦活系(RAS reticular activating system )あるいは上行性網様体賦活系(ARAS ascending reticular activating system )と言います。
この様に網様体賦活系の役割は,大脳皮質に興奮を伝えることであり,その結果,覚醒,意識水準の維持をすることにあります。
3 その他の網様体賦活系の役割はありますか。 (クリックすると回答)
呼吸中枢,循環中枢として,運動や精神的興奮などの際にこれらを調整する役割もあります。
4 網様体賦活系の障害はどのようなことになりますか。 (クリックすると回答)
網様体賦活系の主要な役割は,自己覚醒にあります。
したがって,それが障害されると,意識障害となります。
つまり,上行性網様体賦活系が何らかの原因でうまく作動しないと言うことです。
この状態が,一過性か,永続性か,機能的なものか,器質的なものかが問題となります。