Q.高次脳機能障害での障害される「記憶」とは何ですか。

[エピソード記憶,即時記憶,意味記憶,短期記憶,高次脳機能障害]

A.

記憶とは,
エピソード,知識,行為,手続きのいかんを問わず,
あらゆる体験を脳が処理できる形に符号化し,貯蔵し,取り出す機能の総体を言うとされています。

記憶はその理解のためにさらに次のように分類されています。


1 陳述記憶と手続き記憶
2  時間的側面からの分類
3  エピソード記憶と意味記憶
----------------------------
なお,詳細は続きをご覧ください。




 

代表弁護士岡田正樹による出版物です

ごめんじゃすまない! 自転車の事故

むさしの森 法律事務所 岡田 正樹 (著)

本書の特長は事故を起こした加害者、事故に巻き込まれた被害者の真実をもとに、それぞれの苦しみや悲しみの物語、危険運転に対する違反切符と罰則、過失の割合、賠償・慰謝料の実例、自転車用の保険、和解に導く弁護士の役目など、あらゆる面から自転車事故を解説しています。 大切なお子さんを加害者に、被害者にもさせたくない。子を持つお父さん、お母さんには必携の書です。

Amazon詳細ページへ

続きを読む

1 陳述記憶と手続き記憶

(1)陳述記憶(宣言的記憶)declarative memory

記憶情報を言語による表現によるかどうかはともかく,
意識的に表現できる,あるいは思考過程と関連して利用できるものを言います。

新しいことが憶えられない,古い体験や知識の想起が難しいと言うときに問題となるのが,この陳述記憶(宣言的記憶)です。

(2)手続き記憶procedural memory

動作,行為,行動における技能,
また,知覚を介した認知における効率的操作・処理を獲得し保持する記憶を言います。

手続き記憶の取り出しは意識せずに自動的に行われます。

また,手続き記憶の再生は,記憶成立の際におけるエピソードを思い出す必要なく行われます。

 

2  時間的側面からの分類

神経学臨床では,短い方から即時記憶,近時記憶,遠隔記憶と分類します。


即時記憶に対して,近時記憶→遠隔記憶と時間の流れに従って記憶が堅固な貯蔵をされていきます。

概念的には様々な干渉に耐えてふるいにかけられて記憶が貯蔵されていきます。

近時記憶→遠隔記憶とワーキングメモリ容量が増えていくイメージです。


3  エピソード記憶と意味記憶

(1)エピソード記憶

特定の時と場所で起こった個人的体験の情報に関する記憶です。

記憶情報の記号化と取り出しという近時記憶,遠隔記憶との過程に明確に分けることができる陳述記憶です。

(2)意味記憶

事実,概念,語彙などの知識全般を含み,基本的にいつでも取り出せる確立した記憶です。

いつどこでどのようにして憶えたかという記憶過程にまつわるエピソードとは切り離して独立して利用できるものです。

例えば,今は夏ですが,セミとはどのようなものかについては,いつどこでどのようにして憶えたかは,記憶の彼方にあると思います。

しかし,セミとはどのようなものであるかは,説明が可能です。


---------------------- 

記憶障害(リンク)

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る