Q.脳損傷による作話とは何ですか。
A.
作話とは,意識清明な状態で,嘘をつこうという意図なしで表出される記憶内容の変造で,記憶障害に伴って起こる症状です
他者からの働きかけがなくとも行われる自発性作話と,質問に答える際に行われる>誘発性作話とがあります。
あるいは,その内容で生活歴から見て到底あり得ないような空想的な話題を表出する空想的作話とすることもあります。
自発性作話を伴う場合には,空想的作話を伴いやすいとされています。
しかし,自発性作話=空想的作話ではないため,自発性作話-誘発性作話の分類が臨床的には重視されているようです。
なお,記憶障害があるからと言って,必ずしも,作話を生じるとは限りません。
前向性健忘を生じる病巣(側頭葉内部等)に加えて,前頭葉・基底核などが両側で損傷されて,遂行機能障害を伴っている場合に生じるとされています。