Q.高次脳機能検査での仮名ひろいテストとは何ですか。
A.
選択的注意,つまり特定の情報処理・反応に集中する能力を判断する一種の選択的抹消課題です。
前頭葉機能としての遂行機能障害に関連します。
高次脳機能障害としての評価は,労働能力の集中力・持久力(持続力)に関係します。
テストⅠではランダムに並んだ仮名文字から「あ・い・う・え・お」5文字を2分間で可能なだけたくさん○を付けるものです。
テストⅡでは短文の中から「あ・い・う・え・お」5文字を2分間で見落とさないように○を付けるものです。
こその上で,文章の意味理解を問うものであり,一度に二つのことを処理する能力を問うものです。
年齢別の正常値が明記されており評価点も算定できます。
点数低下がすなわち前頭葉障害とは言えないとされていますが,前頭葉の眼窩面に障害(OFC損傷)がある場合には,得点低下が目立つとされています。
(石合純夫著 「高次脳機能障害学」医歯薬出版(株)p210参照)