Q.免責証書とは何ですか。免責証書での示談をしても,後遺障害請求などでの不都合はありませんか。

[免責証書,後遺障害,示談交渉,紛争処理センター]

A.

基本的には,示談書と同じです。後遺障害が後日,自賠責調査事務所で等級認定される場合には別途請求することができますので,その点の不都合はありません。
しかし,その点が争いになるおそれもありますので,後遺障害について留保した条項がない場合には,それを入れておくことがお勧めです。
免責証書にサインする前に,むさしの森法律事務所へ,ご相談下さい。


1 免責証書とは何ですか。

保険会社との示談交渉で被害者に過失がない一方的な事故の場合には,示談書に代えて,被害者として保険会社に対して差し入れる形式で書類を作成することがあります。
つまり,「○○万円の賠償金の支払いを受けた後には,加害者に対して損害賠償請求をしない。」という書式の書類です。
賠償金の支払いを受けた後に,その後の加害者の責任を免除するということから,免責証書という言い方になっています。
従って,被害者あるいは代理人弁護士が加害者及び保険会社宛に差し入れることから,加害者の署名捺印はありません。


2 示談とか和解とは違うものなのですか。

示談というのは,民法で言うところの和解(契約)です。
従って,被害者と加害者が合意して,双方が書面で署名捺印して残すことになります。
その点では,加害者による署名捺印がないため,免責証書は契約書面ではありません。
つまり,示談とか和解とかとは,違うものです。被害者自身が,一方的に差し入れるものなのです。
加害者の意思が書面上は,反映されていないので大丈夫かな?と思われるのは不思議ではありません。
しかし,保険会社が関与しており,社会的責任から賠償金の支払いを確実にすることが十分に期待されており,特に,問題が生じることはありません。保険会社の社会的信用を前提にしていると言えます。
現実にも,交通事故紛争処理センターにおける示談あっせんが解決に至った際の書面としても,通常として用いられています。


3 免責証書であっても,後日認定された後遺障害の請求については,大丈夫ですか。

「○○万円の賠償金の支払いを受けた後には,加害者に対して損害賠償請求をしない。」とありますが,それで一切の権利を放棄したとは,法的には考えられていません。
後遺障害が後日認定されたならば,その前に免責証書を差し入れたものとは別の損害であると考えられています。
なお,通常は,免責証書には,「後遺障害が認定された場合には別途協議する」旨の文言が入っています。
仮に,なくとも解釈として後遺傷害部分については請求できますが,心配であれば,文言がない場合には,無用な争いを避ける意味からも「後遺障害が認定された場合には別途協議する」旨の文言を入れさせた方が安心でしょう。

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る