Q.視力低下・調整障害等が頚椎捻挫後によって生じた場合に後遺障害として認められますか。
A.
顔面打撲を伴わない頚椎捻挫つまりむち打ち損傷後の視力障害・視野障害については,自賠責認定では,非該当とされます。
そして,最近の傾向から残念ながら,受傷機転から因果関係を裁判所においても否定されると考えられます。
1 自賠責等級認定はされるでしょうか。(クリックすると回答)
頚椎捻挫つまりむち打ち損傷後に視力の低下を訴えるケースが時々あるが,眼球部等顔面の打撲を伴わない,むち打ち機転によるものについては,角膜,前房,硝子体,網膜,視神経等のいずれにも他覚的所見が認められない場合がほとんどであり,視力障害や視野障害の存在が他覚的に証明されていないということになり,視力障害や視野障害として等級格付けすることはできないとされています。
他覚的に証明されていないということから,認定されない,つまり非該当と考えざるを得ません。
バレリュー症候群による視力障害や,むち打ち損傷等により器質的原因は不明確ながらも検査所見から調整障害が認められた判決は過去の判例集等から見つけることは可能です。
しかし,最近10年間のものについては,まずありません。
従って,裁判所も自賠責等級認定を前提として判断をしている傾向にこの点ではなってきていると評価せざるを得ません。
顔面打撲を伴わない頚椎捻挫つまりむち打ち損傷後の視力障害・視野障害については,自賠責認定では,非該当とされます。
そして,最近の傾向から検査結果に所見が出たとしても,むち打ちという受傷機転から因果関係を裁判所においても否定されると考えられます。