Q.外傷性肺挫傷とは何ですか。後遺障害(後遺症)はどうなりますか。
外傷性肺挫傷とは胸部打撲等による肺実質の損傷です。
軽度のものもありますが,肺挫傷の中には重症化するものもあり,また外傷後肺不全も深刻な事態となる可能性があります。
後遺障害については,呼吸困難が症状あるいは数値として認められる場合は,11,9,7,5級となります。
さらに日常生活に大きな影響を与える場合には介護の必要性に応じて1から3級が認定される可能性があります。
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1 外傷性肺挫傷
(1)肺挫傷
(2)外傷後肺不全
(3)その他 肺内血腫,肺裂傷,外傷性仮性嚢胞
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肺挫傷
(1)肺挫傷とは肺挫傷とは胸部打撲に伴う合併症
(2)発症のメカニズム
受傷した際の侵襲波が胸壁を通過して肺に到達して肺実質への瞬時の圧迫を連続的に繰り返すため。
(3)症状
打撲による胸痛,呼吸困難。挫傷が広範囲の場合には,肺水腫症状
(4)予後
挫傷が軽度ではなく高度な場合には,肺水腫症状が見られ,一般的に予後が不良で死亡率も高い
(5)肺水腫
血清が血管外に漏出して組織間液が増加し,さらに肺胞内に漏出した状態
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外傷後肺不全
胸部外傷後に,みられる高度な呼吸不全
ショック肺,現在では急性呼吸促迫症候群ARDS(acute resoiratory distress syndrome)と同じ
呼吸不全以外にもチアノーゼ,頻脈,乏尿も併発して緊急手術が必要であり予後は極めて悪い
4
肺裂傷
胸部打撲により,肋骨骨折端によって肺が損傷したり,あるいは,直接に肺実質が裂傷すること
呼吸困難などが生じますが,裂傷の程度が大きいとショック状態となり重症化することがあります。
5
後遺障害(後遺症)
呼吸困難が症状あるいは数値として認められる場合は,11,9,7,5級
さらに日常生活に大きな影響を与える場合には介護の必要性に応じて1から3級が認定される可能性