Q.バビンスキー反射と後遺障害(後遺症)の関係はどうなりますか。

[バビンスキー,バビンスキー反射,病的反射,脊髄損傷,錐体路障害]

A.

バビンスキー反射は,医師の手技による反射テストで錐体路障害の鑑別のための診断における1つの方法とされています。
医療現場においては脊髄損傷等については,他の検査と併せて確定診断と治療がなされていると考えます。

1 バビンスキー反射の意味はなにですか。(クリックすると回答)

バビンスキー反射は,病的反射としては有意義なものであり,その陽性は錐体路障害として,重度後遺障害(後遺症)である頚髄損傷等の脊髄損傷の可能性を示唆するものです。

2 バビンスキー反射の診断的な解釈はどうですか。(クリックすると回答)

以下のことが言われております(「ベッドサイドの神経の診かた」p88 南山堂)
(1)錐体路障害があっても,必ずしも本反射は陽性に出るとは限らない。
(2)反射が陽性であるということは,必ずしも錐体路が器質的に破壊されていることを意味するものではなく,一過性に出現することもある。
(3)錐体路がどこで障害されているかどうかということも関係ない。

(4)反射が陽性に出ても,下肢の機能は正常でなんの症候も伴わないことがある。この場合には,開扇現象はほとんど見られない。
(5)正常者でも足底反射が消失している場合が10%はある。末梢神経麻痺あるいは筋麻痺のある場合も消失する。
(6)末梢神経または筋のいずれが障害されても足の屈筋が麻痺し,伸展が健全であれば,錐体路に異常がなくても,バビンスキー反射は陽性となる。


以上のとおりに診断学的には,錐体路障害を鑑別する手段の1つに過ぎません。
しかし,陽性反応の診断的意義は大きいと言えそうです。
実際には,その後の神経学的所見の推移あるいは画像所見によって傷病名が確定されていくとされています。

3 バビンスキー反射と後遺障害(後遺症)の関係はありますか。(クリックすると回答)

2のとおり,バビンスキー反射は,診断及び治療中のものであり,錐体路障害とそれ以外との鑑別手段です。
つまり,後遺障害(後遺症)認定に関してバビンスキー反射陽性=脊髄損傷の残存とはならないと考えます。
脊髄損傷については,画像所見と受傷から症状固定までの所見の推移が重視されます。

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る