Q.むち打ち(頚椎捻挫)等の捻挫で整骨院(接骨院)の治療について保険会社(共済)から目安料金として期間も3ヶ月までと言われた場合の対抗策はありますか。
目安料金(目安表に基づく料金)は,各任意保険会社(共済)基準です。 1 目安料金(目安表に基づく料金)とは何ですか。(クリックすると回答)
2 そもそも任意保険会社が料金を言ってくる理由は何でしょうか。(クリックすると回答)
3 整骨院と任意保険会社とのと関係は法律的にはどのようなものですか。(クリックすると回答)
4 裁判になったらどうなるのでしょうか。(クリックすると回答)
そして,直接の施術費用の支払いについての法律関係が成立していることにはなりません。
問題点の根本にそれがあることを理解して対応する必要があります。
むち打ち(頚椎捻挫)等捻挫・打撲計の施術費用に関して任意保険会社(共済)が,目安あるいは標準として,部位と期間の限度を言ってくることがあります。
それを俗に目安料金と言います。
これは,自賠責保険支払基準とは違い,また裁判所の判例あるいは政府の通達に基づくものでありません。
簡単に言えば,我が社基準です。
自動車保険は,ほとんどが契約者=加害者の被害者との示談交渉を代行する特約をつけています。
これが,実際上は制度として定着しています。
さらに,自動車保険は自賠責保険(仮にこれを建物の1階)と任意保険(するとこれが建物の2階)の2階建て構造になっています。
実務として,一括(払い)対応として任意保険会社(共済)が自賠責部分も,まずは先行して自らが負担をして後日回収するということが行われています。
この示談代行付保険と一括(払い)対応が実務上の制度として組み合わされて,任意保険会社が目安料金を言ってくるわけです。
任意保険会社(共済)と交通事故被害者との間には,法的関係はありません。
したがって,(ましてや)整骨院との間に法的関係はありません。
いずれも,サービスとして行っているのです。
そして,どちらかというと契約者である加害者のためのサービスです。
多少ですが,自賠責保険に直接請求する手間を省くと言うことで被害者のサービスの点もありますが。
ここで,目安料金に基づいて金額と期間の話をしているじゃないか,それでもサービスにしか過ぎないのか,という疑問があり得るでしょう。
いいえ,それでもサービスにしか過ぎないのです。
これは,医療機関に対する話でも同じです。
被害者の休業損害についての話でも同じです。
目安料金を超えたので打ち切られたので,裁判で支払わせたい,と考えるのも分かります。
目安料金というのが,我が社基準にしか過ぎないなら,裁判所は分かってくれるのではないかと考えるのも分かります。
しかし,裁判所も甘くありません。保険会社が打ち切ったのはそれ相応の理由と覚悟があると,推測します。
後日,打ち切り後も治療を継続して後遺障害が認定されたならば状況の変化はあり得るかもしれませんが,非該当となれば,被害者=患者と整骨院は施術費用の負担をめぐってトラブルとなりかねません。
「目安料金には快く応じましょう。」とまでは言うつもりはありません。
しかし,不当だと言うだけでは,整骨院あるいは被害者=患者としてストレスのみで実益がありません。
弁護士に依頼して訴訟をするぞと叫んでも,「さあどうぞ。」と言われかねません。
結論としては,事例によると言うことです。
現実には,自己負担をして治療を継続して後遺障害認定されて,その部分を保険会社から後日支払いをさせることができた事例もあります。
しかし,明らかに無理だろうと思われる事例もあります。
事例を冷静に分析するしかない,と言うのが結論です。