Q.姿勢反射障害とは何ですか。外傷性脳損傷との関係はありますか。

[パーキンソン病,姿勢反射障害,歩行障害]

A.

姿勢反射障害とはバランスの反応が悪く姿勢が崩れやすくなるものです。
外傷性脳損傷による身体障害として残存する可能性もあり得ますが,パーキンソン病の典型的な徴候でもあるため,その鑑別等が争点となると考えます。

1 姿勢反射障害とは何ですか。 (クリックすると回答)

健常であれば,立っていて姿勢を崩された時でも倒れないように立ち直りバランスを保つ反応が働きますが,この反応が悪いと歩いていてつまずいたり,姿勢が崩れた時に転倒しやすくなります。
これを姿勢反射障害と言います。

2 検査方法は (クリックすると回答)

通常は立位(立った姿勢)で前から両肩や胸部を押したり,後から両肩や脇を引き足り,横に体を倒すようにして前後左右にゆさぶってそれに対する患者の反応を検査します。
健常であれば後方に倒されそうになっても足関節と足指が踏ん張って後に倒れることはありません。

仮に,1,2歩まで下がったとしても倒れることはありません。健常であれば前方に押し出されても足先で体重を支えることができ,横に傾けられても足が1,2歩動いたとして倒れることはありません。

後方に押したり引いたりして,倒れなければ正常ですが,後退して倒れるのは中程度の,そのまま倒れてしまうのは高度の姿勢反射障害です。

3 原因は (クリックすると回答)

(1)痙性麻痺 (2)パーキンソン病 (3)小脳性運動失調があります。
特に,
パーキンソン病によるものが多くいわれます。


 しかし,外傷性脳損傷においても症状として表れます。
びまん性軸索損傷等により「姿勢反射障害があり、後方に転倒しやすく、早歩きをすることや走ることができない。」として身体傷害を高次脳機能障害と合わせて認めて後遺障害2級とした判決例(水戸地裁下妻支部 平成21年12月17日判決,自保ジャーナル・第1820号)もあります。

なお,パーキンソン病は,中脳黒質のドバミン作動性神経細胞が変形脱落する選択的黒質変形疾患であり,無動・筋強剛・振戦・姿勢反射障害が4大兆候とされることから,外傷性脳損傷であったとしても,既往のパーキンソン病がある場合には両者の鑑別が問題となると考えられます。

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